横浜環状北線シールドマシン発進式
みちくさ、路上観察、散策、史跡巡り、土木建築見学など”みちくさのヒント”が転がっているだろう!と思われるイベントへみちくさ学会事務局員のふたりが足を運びレポートする連載記事企画、それがイベントレポートです。

さて今回は、“みちくさ”するにも道がなければ始まらない、それは自動車道路にしても同じこと、・・・という事で少々強引ではありますが、「大師ジャンクション」に続くドボク系の式典、横浜環状北線シールドマシンの発進式に参加してきました。今回も、みちくさ学会事務局員の阿部がお届けします。

港北ICと生麦JCTをつなぐ「横浜環状北線」

横浜市営地下鉄ブルーライン「北新横浜駅」近くの新横浜発進立坑工事現場では、横浜環状北線を建設するための第一歩としてシールドマシンの発進式典が行われました。

横浜環状北線とは、横浜市の交通ネットワークの骨格を形成する横浜環状道路の北側区間、第三京浜道路港北ICから、首都高速横羽線の生麦JCTをつなぐ延長約8.2kmの自動車専用道路です。

港北ICと生麦JCTがつながることで、港北ニュータウンや新横浜エリアと、都心湾岸部のアクセスが強化されることになります。新横浜〜羽田間がクルマで30分の距離になったりするわけです。便利ですね。

式典は来賓者多数
横浜の経済発展にも大きな影響を与えそうな「横浜環状北線」だけあって、式典は来賓者多数のなかで行われました。横浜市長の林史子氏、首都高速道路株式会社会長、橋本圭一郎氏、大林組会長、大林剛郎氏など、そうそうたる顔ぶれです。

「横浜環状北線」はじまりの瞬間
工事概要説明があり、横浜市の林市長あいさつなどがあった後、参加者が見守るなかでシールドマシンの発進スイッチは押されました。モニタで大映しになったシールドマシンが回転、「横浜環状北線」はじまりの瞬間です。

間近で見るシールドマシン

式典の後は、いよいよシールドマシンの見学です。

階段を下りに下って工事現場に
当たり前のことながらシールドマシンは立坑の奥、階段を下りに下って工事現場に向かいます。

まだまだ奥に進みます
まだまだ奥に進みます。ちなみに写真右側の通路を占拠しているのは、採掘した土砂を運搬するベルトコンベヤです。土砂はベルトコンベヤで、防音ハウスを通り、工事現場対岸の鶴見川遊水地土砂ストックヤードへ運ばれます。

シールドマシンのお尻部分
ようやく辿り着いたこちらは、シールドマシンのお尻部分。色とりどりのパイプやケーブルに接続されているこの先にシールドマシンがある訳です。なんだか、”前線”って感じがありますね。

こちらがシールドマシンの先端部分。
こちらがシールドマシンの先端部分。非常に大きい!それもそのハズで、マシンの外径は12.5m(内径は11.5m)、長さ11.5m、重量は2,000トンもあるのです。2,000トンとはジャンボジャット10機分に相当する重量だそうですが、ヘルメットを被った我々との比較で大きさが伝わるでしょうか。

こちらがシールドマシンの先端部分。
シールドマシン最前部のカッターフェイスには、超合金製のカッターパーツが500個も装備されています。このカッターで1分間あたり5cm推進し、1時間で450立方メートルの土砂を排出するそうです。

そんなシールドマシンを実際に動かして頂きました。その様子をご覧ください。


迫力がありますね。シールドマシンは掘削し、トンネルの外壁を構築する作業を交互に繰り返すのですが、トンネル外周1まわりは「セグメント」と呼ばれる9分割された構造材によって構築されます。掘削、セグメント組み付け、掘削、セグメント組み付け、掘削、セグメント組み付け・・・と、延々「横浜環状北線」のトンネル部分5.5kmを推進するワケです。


地道な作業にも驚きますが、5.5km推進しても到着した際の連結部分との上下誤差は、4〜5cm程度とのことで、これにも驚かれますね。ちなみに、シールドマシンは左右両方向に回転するということで、これは一方方向にばかり回転することでマシン本体が回転してしまうのを防ぐためタメだそうです。


工事の完了は平成28年度の予定だそうですが、平成12年に工事が決定したことを考えると16年にも及ぶまさに大工事です。”みちくさ”のステージである道が、こんなにも長い歳月をかけて完成するということは、”みちくさ”フリークの知識として知っておいても良いかも知れませんね。(まぁ、今回は自動車道路ですが・・・)

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横浜環状北線

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