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屋外エスカレーターに出会うと、なぜちょっと嬉しいんだろう


エスカレーターの格好よさについて、びしばし皆様にその魅力を啓蒙すべく、このたび張り切って任に就かせていただいた私。しかし最初の1基を選出するにあたって、はたと思いとどまってしまった。エスカレーターって、基本は屋内なんだが、それって「みちくさ」の倫理にいきなり反していないだろうか。電車に乗ったりお店に入ったりしても「みちくさ」と呼べるのか。呼べる気もするし、呼べない気もする。さてどうしよう。
というわけで、主に私の独断による検討の結果、当学会では、電車にも乗らずお店にも入らず見つかる、「みちくさ」系屋外エスカレーターに的を絞って紹介していくこととする。
今回の「みちくさ」系エスカレーターとの出会いは、まさにみちくさの真っただ中だった。場所は、御茶ノ水から神保町への下り坂途中の交差点。そこに聳え立つは、明治大学の新しい校舎、「アカデミ
ーコモン」。校舎自体も格好いいが注目してほしいのはその中腹部分。素敵なガラスのトンネルがわかるだろうか。

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エスカレーター眼に富んだ者なら見逃がしようのない、外壁直付型のトンネル系エスカレーターだ。そんな言葉はないが今作った。ちなみにこのタイプは、ほかにも都内数か所で目撃されているが、共通点は、エスカレーターを覆うトンネルが、ガラスになっているということである。
覚えておきたいのは、素敵全面ガラス張りビルには、素敵なトンネル系エスカレーターを作りがちという点だ。あそこを昇ったり降りたりすると、とっても眺めがいいはずなのだ。行ってみたい。

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そういうわけで中に入ってみた。さすがアカデミーコモン。天井の高い広々としたロビーには、大きくて格好いいエスカレーターがよく似合う。階段ではこうもいくまい。さすがエスカレーター。

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そして、ついにガラスのトンネル内部へ。思った通りの良眺望。ガラスとトラスがグッドバランス。リッチだ。

「みちくさ」で見つかる屋外エスカレーターを紹介すると言っておきながら、さっそく物議を醸しそうな半屋外のものを紹介してしまった。でも「みちくさ」時における目立ち具合という点で言えば、これ以上の「みちくさ」系は無い。こうまでして目立とうという心意気と全面ガラス張りのリッチ感&セレブ感。トンネル系外壁直付エスカレーターは、屋外エスカレーター界のヒルズ族なのだ。




  • 田村美葉「東京エスカレーター」管理人

  • 東京エスカレーターMANIAX

  • 1984年うまれ、石川県出身。大学入学を機に上京。以来、主にエスカレーターに乗って浮かれたり、かっこいい橋脚を追って延々と高架下を歩いたりしている。高架橋脚ファンクラブ会長。