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みなさんこんにちは。水門写真家の佐藤淳一です。最近ではブログがほぼカワウソ写真で埋め尽くされており、中の人が変わったのではないか?などと陰口をたたかれているらしいのですが、本人はいたってナチュラルに、以前と変わらぬ撮影生活を送っております。今回はカワウソではなくて水門を担当させていただくことになりました。どうぞよろしく。

さて、「みちくさ学会」というサイトということでお誘いをいただいていたのですが、わたしの頭の中ではいつの間にか「よりみち学会」と変換されていました(笑)。勝手にタイトル変えるなよと怒られそうですが、「よりみち」の方が「みちくさ」より逸脱度が高い感じがしてわたしは好きです。そういうわけで、寄り道っぽい水門を探して来て、ご覧に入れたく存じます。

みなさんも東海道新幹線はお使いになると思います。東海道新幹線というのは名古屋に味噌煮込みうどんを食べに行ったり、京都に仏像見に行ったり、大阪にカワウソを見に行ったりするためにあるわけですが、その東海道新幹線の窓から見える水門がいくつかあることは存知でしょうか。見たい人はぜひ、進行方向右側に座りましょう(東京出発の場合)。右側の席は富士山という妙に大きな山などもついでに見えるのでお得です。というか、名古屋まで止まらないのぞみなんかの場合、富士山が見えるあたりまではみなさん外を見てますが、だいたい静岡の手前あたりで寝ちゃう人が多いんですよね。その意識の空白を突くような絶妙なタイミングで、いきなり小さな水門が現われます。わたしは物心ならぬ水門心が付いた頃からずっと気になっていましたが、たしか静岡をすぎたあたりだよね、程度にしか認識してませんでした。

ついにその水門に行ってみたんです。2年前の春のことでした。

なかなか逸脱度が高くていいなあ、と浮かれて寄り道しましたね。新幹線の窓からは小さい水門に見えたのが、そばまで行ってみたら結構立派な水門なので驚きです。新幹線の駅間で見えたものの位置を特定して、そこに行ってみるというのは、以前はとっても大変だったものです。でも最近ではGPSとオンライン地図があればとっても簡単。GPS持ってないわたしは、いまだに紙の地図を使っているので大変なままですが。
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場所は静岡県焼津市。名前は梅田川水門といいます。いつも見かける女子の名前をついに知ってときめく、男子中学生のような気分が味わえました。

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  • 佐藤淳一

  • Das Otterhaus

  • 1963年、宮城県生まれ。水門写真家。最近はカワウソばかり撮っている。高いところと水のそばが得意。近著は「カワウソ」(東京書籍刊)。