府県紹介の第2弾は京都府。
京都市内とりわけ洛中は最もたくさん鍾馗さんが残されているところ、鍾馗さんでみちくさを
楽しむには最適の土地です。
京都を大きく”洛中”と”それ以外”に分けると、洛中以外の地域では概ね先回の奈良と同様、
お寺鍾馗が主流のようで、寺院周辺以外ではあまり見られません。
一方、洛中では「どこにでもある」状態で数も多いため、町を歩いていれば大概目にすることができます。
これらが代表選手で、いずれも15cm前後の小ぶりなもの。表情やポーズも温和なものが
非常に多いのが特徴です。家屋が密集する京都では隣近所との無用な軋轢を避けるため、
こういった無難な鍾馗さんが好まれたのでしょうか。
またいずれもとがったところが少なく、型で大量生産するのに適したデザインになっています。
この点も「破天荒な手作り一品もの」が目立つ奈良とは対照的なところ。
京都では、比較的早い時期に瓦製造業の集約が進んだのだと思われます。
置かれる場所はほとんどが一階の小屋根の上で、二階の大棟にはめったにありません。もっとも、小路に立ち並ぶ家には前庭もなく、道を歩いても二階の屋根の上は見えないので、これは当然のことでしょう。
全国的には、魔除けとして鍾馗をあげる風習は現在ではほぼ廃れてしまったようですが、ここ京都では今でも時々新しく鍾馗さんをあげた家を見つけることがあります。伝統の中に生きる京都人を頼もしく感じる瞬間です。
My流儀
京都では、寺院を訪ね歩くという通常の探索メソッドは通用しません。
鍾馗さんにぞっこんの筆者がそこでどうするかというと・・・
「すべての道を歩く」(笑)
京都の中心部。北は丸太町、南は御池通、東は河原町、西は堀川通。中央には烏丸通。右上に少し御所が見える
とある一日の行動。赤いラインが歩いたところです。東西1.5km、南北700mのエリアを縦横に約20km。
この範囲で140体強の鍾馗さんを確認しました(●や★)。
良い子は決して真似をしないように・・する訳ないか。
それでも先達が一人。私の師匠・服部正実さんは1988年から8年にわたって京都をこうしてくまなく歩き尽くし、成果を「洛中洛外の鍾馗」という写真集にまとめておられ、その一端は下記HPで見られます。
http://ha7.seikyou.ne.jp/home/hatt/index.htm
服部さんの足跡を追って、私の京都鍾馗探訪はまだまだ続きます。
洛中で鍾馗散策を楽しめる地域を独断で2か所選ぶなら、西陣と祇園。
上京区寺之内通:西陣にほど近い、普段着の京都。雑然といろんな様式の町屋が並ぶ。
東山区祇園新橋:重伝建指定の「いかにも京都らしい」雅な街並み。右端のお宅に小さく鍾馗さん。
対照的な両地域ですが、鍾馗さんに限ってはどちらも同じくらいの高密度集積地。
観光で訪れた際には、ぜひ鍾馗さんも見てきてやってくださいね。
並べだすと切りがないのでそこそこに。
こうした箱入り鍾馗さんは京都ではよくあるが、ガラスケース入りは珍しい。おかげで精巧な鍾馗さんだが保存状態はすこぶる良い。
一方、巣箱鍾馗さんは過保護の極みで息が詰まりそう。これでは職責は果たせまい。
木津川市は京都府も最南端。奈良市に隣接し、鍾馗さんの様式も奈良の影響が濃いところです。
山あいの小さな集落にひそんでいた鍾馗さんです。
一方、京都府北部にはあまり鍾馗さんはないと思っていましたが、
最近友人の友人からの情報で、舞鶴にも鍾馗さんがいることがわかりました。
南北に遠く離れた鍾馗さんですが、こうして並べてみると偶然でしょうが意外に似ています。
京都市内とりわけ洛中は最もたくさん鍾馗さんが残されているところ、鍾馗さんでみちくさを
楽しむには最適の土地です。
京都の鍾馗さんの特徴、分布
京都を大きく”洛中”と”それ以外”に分けると、洛中以外の地域では概ね先回の奈良と同様、
お寺鍾馗が主流のようで、寺院周辺以外ではあまり見られません。
一方、洛中では「どこにでもある」状態で数も多いため、町を歩いていれば大概目にすることができます。
これらが代表選手で、いずれも15cm前後の小ぶりなもの。表情やポーズも温和なものが
非常に多いのが特徴です。家屋が密集する京都では隣近所との無用な軋轢を避けるため、
こういった無難な鍾馗さんが好まれたのでしょうか。
またいずれもとがったところが少なく、型で大量生産するのに適したデザインになっています。
この点も「破天荒な手作り一品もの」が目立つ奈良とは対照的なところ。
京都では、比較的早い時期に瓦製造業の集約が進んだのだと思われます。
置かれる場所はほとんどが一階の小屋根の上で、二階の大棟にはめったにありません。もっとも、小路に立ち並ぶ家には前庭もなく、道を歩いても二階の屋根の上は見えないので、これは当然のことでしょう。
全国的には、魔除けとして鍾馗をあげる風習は現在ではほぼ廃れてしまったようですが、ここ京都では今でも時々新しく鍾馗さんをあげた家を見つけることがあります。伝統の中に生きる京都人を頼もしく感じる瞬間です。
My流儀
京都では、寺院を訪ね歩くという通常の探索メソッドは通用しません。
鍾馗さんにぞっこんの筆者がそこでどうするかというと・・・
「すべての道を歩く」(笑)
とある一日の行動。赤いラインが歩いたところです。東西1.5km、南北700mのエリアを縦横に約20km。
この範囲で140体強の鍾馗さんを確認しました(●や★)。
良い子は決して真似をしないように・・する訳ないか。
それでも先達が一人。私の師匠・服部正実さんは1988年から8年にわたって京都をこうしてくまなく歩き尽くし、成果を「洛中洛外の鍾馗」という写真集にまとめておられ、その一端は下記HPで見られます。
http://ha7.seikyou.ne.jp/home/hatt/index.htm
服部さんの足跡を追って、私の京都鍾馗探訪はまだまだ続きます。
鍾馗探訪好適地
洛中で鍾馗散策を楽しめる地域を独断で2か所選ぶなら、西陣と祇園。
対照的な両地域ですが、鍾馗さんに限ってはどちらも同じくらいの高密度集積地。
観光で訪れた際には、ぜひ鍾馗さんも見てきてやってくださいね。
京都の光り物鍾馗さん
並べだすと切りがないのでそこそこに。
こうした箱入り鍾馗さんは京都ではよくあるが、ガラスケース入りは珍しい。おかげで精巧な鍾馗さんだが保存状態はすこぶる良い。
一方、巣箱鍾馗さんは過保護の極みで息が詰まりそう。これでは職責は果たせまい。
木津川市は京都府も最南端。奈良市に隣接し、鍾馗さんの様式も奈良の影響が濃いところです。
山あいの小さな集落にひそんでいた鍾馗さんです。
一方、京都府北部にはあまり鍾馗さんはないと思っていましたが、
最近友人の友人からの情報で、舞鶴にも鍾馗さんがいることがわかりました。
南北に遠く離れた鍾馗さんですが、こうして並べてみると偶然でしょうが意外に似ています。