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ガスタンクを星と思ったのはいつからだろう。
ガスタンクがなければ一生訪れることはなかった街、ガスタンクを撮影したらもう二度と訪れることはないだろう場所を歩いていると、自分が惑星探査機に乗って宇宙探索している気持ちになることがある。
ガスタンクの魅力を写真で伝えるプロジェクト「Gastank Map / ガスタンク・マップ」を始めたのは、当時とても仲の良かった女の子が、ところどころに小さなGマークを付けた東京周辺の路線図を持ってきたところから始まる。

彼女はガスタンクやクレーンが本当に大好きで、街で見つけるたびに、「タンク!」「キリン!」(クレーンの比喩) と呟いて、嬉しそうに目を輝かせていた。そして僕はガスタンクというより彼女が好きだったので、「そんなに好きなら日本中のガスタンクを撮影して回ろうか」と、ほんの冗談のつもりで提案したのだ。
1週間後、彼女はネットで集めたガスタンク情報のプリントアウトと共に、その地図を作ってきた。
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彼女が用意したプリントアウトに目を通すと、一般的にガスタンクと呼ばれているものの正式名称はガスホルダー (Gasholder) といって、ガスの内圧が均等にかかるから丸い形をしているのだと書いてあった。
「丸い形にはちゃんと意味があるし、かわいいからそうしたわけではない」
「その通り。たまたまかわいくなっただけ」
※円筒形 (有水式・無水式・乾式など) のガスタンクも現存していますが、都市ガスでは球形 (加圧式) のガスタンクが主流です。
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僕は最初、ガスタンクなんて県にひとつ、多くても2・3個だろうし、集中して回れば1年ぐらいで全国制覇できるんじゃないかと思っていた。ところが、地図を見ると東京だけで10箇所以上、埼玉や千葉に至っては20箇所以上あることがわかった。
「これは、全部撮るまでに一生かかるかも……」
「じゃあやめる?」
「いや……やる。絶対撮る」
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みちくさ学会では、こんな思い出+都市部で比較的駅から近い、道草しやすそうなガスタンクを紹介していこうと思います。よかったらお付き合いください。