基本的にタイプ別のトマソンをご紹介している当カテゴリですが、今回は年末という事でいつもと少し趣向を変えた記事をお届けします。年の瀬ですが大掃除も一段落、年末の買い物にでも行こうか、というような向きの方に特にオススメしておきたい記事を書いてみました。
サラリーマンの町、東京都港区新橋。昼間は仕事で、夜はちょっと一杯、というような用事で訪れる事が多い町かと思いますが、今回はここで小さな旅をしてみます。普段お仕事や酒席で新橋に立ち寄られる方は特に、年末年始に普段とは違う視点で町を歩いてみて
はいかがでしょう?
新橋SL広場の写真がどどんと冒頭に出てますが、その反対側、日本テレビや電通の本社などが立ち並ぶ汐留方面に足を向けますと、そこは浜離宮そしてその先は築地、となります。
汐留側についてふと振り返ると、そこには超高層ビルが林立しております。左から東京汐留ビルディング、汐留メディアタワー、ロイヤルパーク汐留タワー、電通本社ビルとなっております。新し目のビル群、圧巻です。
特に汐留メディアタワーは「超高層ビル」講師の中谷さんが「超高層吹き抜け」でもご紹介なさってた新宿住友ビルと同じ、三角形という珍しい形をしています。
汐留側に至るルートはいくつかあるのですが、SL広場側から地上を歩いていくと汐留シオサイトあたりでこのようにクランクした歩道橋とご対面となります。「歩道橋」講師のぶらり東京さんににいつかこういう段違いタイプの歩道橋は多いのか否か教えて頂きたいところです。
歩道橋と連結されている汐留シオサイトA街区の2階部分の歩廊、ペデストリアンデッキからは黒川紀章の設計で知られる中銀カプセルタワーがとても良く見えます。名建築の鑑賞スポットとしても秀逸。
そこから築地方面を目指して歩いていきますと、このようなビルに出会います。幾何学的ともいえる窓の配置の中、二階部分に見えるのは高所ドア。
この物件、おそらく資材の搬出入に使われているのだと思いますが、ドア周辺の外壁とビル全体の外壁を見比べてみる限りでは、どうも竣工時にはなくて、後から取り付けられたのではないか、と自分は想像します。その割にはきちんとしたバランスで非常にかわいい。「かわいい」っていう形容もいかがなものかとは思いますが、とにもかくにも、かわいい。自分の中では、かわいい。
高所ドアからそのまま新橋に背を向けてまっすぐ、朝日新聞社やがんセンター側の歩道を歩いていきますと、このような計器と思しきものがあります。そして道の反対側は築地市場。スチームパンク的でさえあるような建物の集合体、素敵です。写真は、忘れました。面目ない。昆布とか鮭とか買いに行くついでに是非その目でご確認を!
さらにその先にいくと、先程の計器のようなものがまたあるのですが、これにだけ柵がついてます。そしてこの柵の意味、全くわかりません。反対側の歩道だったら築地市場と言えば、の乗り物ターレットがぶつからないためだな、と思うのですがこちらは対岸。そんなものは走らない所です。
これは一体何なのか。「純粋柵」とでも言ったところでしょうか。
又、このあたりから対岸を見ますと、以前ご紹介した築地の無用階段(+ぬりかべ)トマソンがあります。ナイスなルックスです。こちらは個人的にはかっこいい、という形容をしたくなるトマソン。基準は・・・特にないのです。
<ロケタッチURL http://tou.ch/spot/385367/>
築地市場側の歩道にも、いろいろと愉快な物件があります。先ずこちらはまだみちくさ学会ではご紹介してないのですが、「ぬりかべ」タイプのトマソン。ぬべっとした壁なのですが、元々は扉なり開口なりがあったのであろう痕跡が残ってます。
こちらのガードレールは、行政と市場との気遣いから生まれたのでしょうか、柵が二重になっています。過保護。しかもガードレールの高さが通常のものより若干低くなっております。一体なんでこんな中途半端な高さで設置したんでしょうか。ターレット対策なのでしょうか。
築地市場正門脇にある交番は、エアコンの室外機がやたらとしっかりしたところに乗っています。無用階段転じて用を為した、という事なのかもしれません。
実は他にもトマソン的な物件いくつかあるのですが、年末(殆どの写真は12/26に撮影しました)の築地らしい人出の多さに負けて撮影は諦めてきました。是非とも見つけて頂きたいです。
そんなトマソン銀座もといトマソン築地から、銀座方面に進みます。とことこと歩いていきますと、昭和通りにぶつかります。右手にはすっかり形がなくなった歌舞伎座もあるのですが、トマソンカテゴリとしては敢えて無視。
昭和通り沿い、銀座5丁目には今回を含めて実に3回目の登場となる無用門トマソンがあります。この美しい造形、どうですか!ちなみに過去には1回目、8回目に登場してますので併せてお読み下さい。
なんとかの一つ覚えのようにこの物件をまたもや載せたのにはきちんと理由があります。過去の記事と比べると、何かが、何かが、違うのです。どうですか?おわかりになりましたか?
なんと、何の役にもたっていないのに塗装が塗り替えられていました!更に足元のコンクリートも新しく打ち直されてます。すごい!こんな事に気付く方も気付く方ですが、何の役にもたたないものが、なぜだか綺麗にお色直しされている。なんたる事でしょう!
ひょっとしたら、これから新たに「無用物」から「有用物」として新たな役目を与えられるのでしょうか。私のような一介のトマソニアンには深遠なる意図が掴み取れないだけで、実は重要な役割があるのでしょうか。
こうやって定期的に見守る事で変化を味わえるというのも路上観察の愉しみではないか、という事をしみじみと感じました。塗ってくれた方には表彰状を差し上げたいくらいの気持ちです。
ちまちまとした物件を探して喜ぶ小さな小さな旅は、ここから新橋方面に南下していきます。ほんの少しだけ。
しばらく進んでして銀座の花椿通りまで行きますと、またもや歩道橋が。しかもかなりお洒落。ザ・銀座!というようなフォルムです。
ここもぶらり東京さんに解説をお願いしたいところです。本人への打診、一切してないのですが是非お願いしたいです。サイバー系まとめ、みたいなの楽しそう。
この歩道橋、みちくさ学会では田村さんが講師をなさっている「エスカレーター」もついてます。なんてみちくさ学会向きな歩道橋なんでしょう。ああすごい。ちなみに上りと下り、左右で違いますので昇降どちらも楽な仕様となってます。
さて、花椿通りから銀座に入っていきますが、銀座通りをそのまま通過しつつ高速道路を目指しますと、またもやトマソン。
難波橋という信号あたりにありますのが、こちらの原爆タイプトマソン。影、というよりも建物の痕跡が縁取られたかのようになっているのが特徴だと思います。
<ロケタッチURL http://tou.ch/spot/419893/>
更に新橋側、第一ホテルの方まで行きますと、ここにも原爆タイプ。くっきりと三角屋根の跡が残っています。レトロでとても渋い物件です。
原爆タイプのトマソンを見てて思うのは、新橋という町は昔ながらの建物と新しい建物が同居し続ける町だ、という感慨が起こります。
特にこの物件などは、原爆部分の建材が露出してるあたりに地層、年輪、といったものと同じような痕跡を残しているように
思えてなりません。
新橋から始まって新橋に戻るトマソン探し、いかがでしたでしょうか。築地市場という所が単にお魚さんを売っているだけではない「トマソン築地」としての側面もあるのだ!と共感してもらえると、とっても嬉しいです。
<ロケタッチURL http://tou.ch/spot/225233/>
はいかがでしょう?
新橋SL広場の写真がどどんと冒頭に出てますが、その反対側、日本テレビや電通の本社などが立ち並ぶ汐留方面に足を向けますと、そこは浜離宮そしてその先は築地、となります。
汐留側についてふと振り返ると、そこには超高層ビルが林立しております。左から東京汐留ビルディング、汐留メディアタワー、ロイヤルパーク汐留タワー、電通本社ビルとなっております。新し目のビル群、圧巻です。
特に汐留メディアタワーは「超高層ビル」講師の中谷さんが「超高層吹き抜け」でもご紹介なさってた新宿住友ビルと同じ、三角形という珍しい形をしています。
汐留側に至るルートはいくつかあるのですが、SL広場側から地上を歩いていくと汐留シオサイトあたりでこのようにクランクした歩道橋とご対面となります。「歩道橋」講師のぶらり東京さんににいつかこういう段違いタイプの歩道橋は多いのか否か教えて頂きたいところです。
歩道橋と連結されている汐留シオサイトA街区の2階部分の歩廊、ペデストリアンデッキからは黒川紀章の設計で知られる中銀カプセルタワーがとても良く見えます。名建築の鑑賞スポットとしても秀逸。
そこから築地方面を目指して歩いていきますと、このようなビルに出会います。幾何学的ともいえる窓の配置の中、二階部分に見えるのは高所ドア。
この物件、おそらく資材の搬出入に使われているのだと思いますが、ドア周辺の外壁とビル全体の外壁を見比べてみる限りでは、どうも竣工時にはなくて、後から取り付けられたのではないか、と自分は想像します。その割にはきちんとしたバランスで非常にかわいい。「かわいい」っていう形容もいかがなものかとは思いますが、とにもかくにも、かわいい。自分の中では、かわいい。
高所ドアからそのまま新橋に背を向けてまっすぐ、朝日新聞社やがんセンター側の歩道を歩いていきますと、このような計器と思しきものがあります。そして道の反対側は築地市場。スチームパンク的でさえあるような建物の集合体、素敵です。写真は、忘れました。面目ない。昆布とか鮭とか買いに行くついでに是非その目でご確認を!
さらにその先にいくと、先程の計器のようなものがまたあるのですが、これにだけ柵がついてます。そしてこの柵の意味、全くわかりません。反対側の歩道だったら築地市場と言えば、の乗り物ターレットがぶつからないためだな、と思うのですがこちらは対岸。そんなものは走らない所です。
これは一体何なのか。「純粋柵」とでも言ったところでしょうか。
又、このあたりから対岸を見ますと、以前ご紹介した築地の無用階段(+ぬりかべ)トマソンがあります。ナイスなルックスです。こちらは個人的にはかっこいい、という形容をしたくなるトマソン。基準は・・・特にないのです。
<ロケタッチURL http://tou.ch/spot/385367/>
築地市場側の歩道にも、いろいろと愉快な物件があります。先ずこちらはまだみちくさ学会ではご紹介してないのですが、「ぬりかべ」タイプのトマソン。ぬべっとした壁なのですが、元々は扉なり開口なりがあったのであろう痕跡が残ってます。
こちらのガードレールは、行政と市場との気遣いから生まれたのでしょうか、柵が二重になっています。過保護。しかもガードレールの高さが通常のものより若干低くなっております。一体なんでこんな中途半端な高さで設置したんでしょうか。ターレット対策なのでしょうか。
築地市場正門脇にある交番は、エアコンの室外機がやたらとしっかりしたところに乗っています。無用階段転じて用を為した、という事なのかもしれません。
実は他にもトマソン的な物件いくつかあるのですが、年末(殆どの写真は12/26に撮影しました)の築地らしい人出の多さに負けて撮影は諦めてきました。是非とも見つけて頂きたいです。
そんなトマソン銀座もといトマソン築地から、銀座方面に進みます。とことこと歩いていきますと、昭和通りにぶつかります。右手にはすっかり形がなくなった歌舞伎座もあるのですが、トマソンカテゴリとしては敢えて無視。
昭和通り沿い、銀座5丁目には今回を含めて実に3回目の登場となる無用門トマソンがあります。この美しい造形、どうですか!ちなみに過去には1回目、8回目に登場してますので併せてお読み下さい。
なんとかの一つ覚えのようにこの物件をまたもや載せたのにはきちんと理由があります。過去の記事と比べると、何かが、何かが、違うのです。どうですか?おわかりになりましたか?
なんと、何の役にもたっていないのに塗装が塗り替えられていました!更に足元のコンクリートも新しく打ち直されてます。すごい!こんな事に気付く方も気付く方ですが、何の役にもたたないものが、なぜだか綺麗にお色直しされている。なんたる事でしょう!
ひょっとしたら、これから新たに「無用物」から「有用物」として新たな役目を与えられるのでしょうか。私のような一介のトマソニアンには深遠なる意図が掴み取れないだけで、実は重要な役割があるのでしょうか。
こうやって定期的に見守る事で変化を味わえるというのも路上観察の愉しみではないか、という事をしみじみと感じました。塗ってくれた方には表彰状を差し上げたいくらいの気持ちです。
ちまちまとした物件を探して喜ぶ小さな小さな旅は、ここから新橋方面に南下していきます。ほんの少しだけ。
しばらく進んでして銀座の花椿通りまで行きますと、またもや歩道橋が。しかもかなりお洒落。ザ・銀座!というようなフォルムです。
ここもぶらり東京さんに解説をお願いしたいところです。本人への打診、一切してないのですが是非お願いしたいです。サイバー系まとめ、みたいなの楽しそう。
この歩道橋、みちくさ学会では田村さんが講師をなさっている「エスカレーター」もついてます。なんてみちくさ学会向きな歩道橋なんでしょう。ああすごい。ちなみに上りと下り、左右で違いますので昇降どちらも楽な仕様となってます。
さて、花椿通りから銀座に入っていきますが、銀座通りをそのまま通過しつつ高速道路を目指しますと、またもやトマソン。
難波橋という信号あたりにありますのが、こちらの原爆タイプトマソン。影、というよりも建物の痕跡が縁取られたかのようになっているのが特徴だと思います。
<ロケタッチURL http://tou.ch/spot/419893/>
更に新橋側、第一ホテルの方まで行きますと、ここにも原爆タイプ。くっきりと三角屋根の跡が残っています。レトロでとても渋い物件です。
原爆タイプのトマソンを見てて思うのは、新橋という町は昔ながらの建物と新しい建物が同居し続ける町だ、という感慨が起こります。
特にこの物件などは、原爆部分の建材が露出してるあたりに地層、年輪、といったものと同じような痕跡を残しているように
思えてなりません。
新橋から始まって新橋に戻るトマソン探し、いかがでしたでしょうか。築地市場という所が単にお魚さんを売っているだけではない「トマソン築地」としての側面もあるのだ!と共感してもらえると、とっても嬉しいです。
<ロケタッチURL http://tou.ch/spot/225233/>
- 川浪 祐
- From Basshead For
- 1975年生まれ。中学生の頃父親の書棚にあった「超芸術トマソン (ちくま文庫)」を読んでしまい、トマソン探しの人生を送るようになる。元々は音楽やフェスの話などをしていたブログも今ではすっかり路上観察一色。