前回に続いてもう一度、銭湯のビジュアルのお話。
今回は風呂屋の入口や浴室の壁にあるタイル絵を巡ってみることにしましょう。
前回とりあげたペンキ絵は描き換えが出来るものですが、タイル絵は建て替えなどで撤去しないかぎり半永久的な壁画なのです。
浴室奥の壁はもちろん、入口正面や脇壁、男女浴室の境壁、浴槽上、浴槽の立ち上がり壁、時には浴槽内の底部分にも見ることが出来ます。
まず最初は銭湯訪問時、暖簾をくぐるとまず目につくのは正面にあるタイル絵。
上の写真は港町・横須賀にある斗の湯(まさのゆ・神奈川県横須賀市佐野1-7)
お出迎えするように福助のタイル絵があります。
福助の持つ扇子には屋号が入っています。
次にご紹介するのは宝船。これは横浜天然温泉くさつ(神奈川県横浜市南区井戸ヶ谷上町21-29)
ここは近年建て替えられた近代的な建物の銭湯ですが、以前の古い建物にあったタイル絵をふたたび利用しています。
帆の部分には旧屋号の草津湯の文字入り。
この縁起物の図案も多くの銭湯で採用されています。
次はさらに縁起の良さそうな図柄です。
この絵は太平湯(神奈川県横浜市西区久保町24-34)のもの。
鯉の滝登りと屋号を銜えた鶴の絵。
鯉は滝を登ると龍に変身するという伝説があり、出世をあらわすおめでたい図案とされています。
次は力士の絵です。
これは富の湯(神奈川県横浜市西区西戸部町1-29)
どこかコミカルなお相撲さんが屋号入りの化粧まわしをつけて土俵入りをしている構図です。
さて、次は浴室内のタイル絵をご紹介します。
浴室のタイル絵は奥壁にメインの壁画として、またペンキ絵の下にやはり水のある絵として、それから男女境壁に多く見られます。
この絵は前回もご紹介した三崎の高野湯(残念ながら廃業してしまいました)の男女境壁のタイル絵。
このように各地の風景が図案としてとり入れられていますが、松島や浮見堂、池のある庭園など、やはり水に因んだものになっています。
また、女湯側に多いのですが、昔話を題材とした図案も多く見られるようです。
桃太郎やさるかに合戦などの図案が絵本のワンシーンのように描かれていて、これは幼い子供連れのお客のため、子供に楽しく風呂に入ってもらいたいという事で描かれているそうです。
奥壁にペンキ絵ではなくてタイル絵が採用されている銭湯も多くあります。
こちらは旭湯(神奈川県相模原市旭町24-30)の富士山のタイル絵です。
因みに女湯側は泳ぐ鯉の図案になっているようです。
このようにペンキ絵と同じく水に因んだ構図になっている絵が多いようです。
ところでタイル絵には前出のように縁起をかついだ図案が多いです。
たとえば前出の鯉の滝登りなどの鯉の絵は、鯉=来いとなりお客さんを招くという意味合いがあるのだそうです。
逆にペンキ絵などでは猿=去る、夕日=沈む、紅葉=赤字などは商売上縁起悪いといわれ描かれないといわれていますが、タイル絵に関してはこれは絶対ではないようです(実際に猿が紅葉した渓谷を渡るタイル絵を見た事もあります)。
またタイル絵の普及ですが、浴室奥壁などに描かれるペンキ絵は関東地方周辺に多くみられるものなのに対してタイル絵は全国各地の銭湯に広がっており各地で見ることが出来るようです。
ことに京都では見事なタイル絵で飾られている銭湯も多いということです。
みちくさのついでに銭湯に寄る際にはこのような観察点でも観察してみると、さらに銭湯を楽しめるかもしれませんね。
※掲載した銭湯の浴室写真は他に入浴客が無い時に許可を得て撮影しています。
くれぐれも勝手に写真撮影したりしないようにしましょう。
浴室奥の壁はもちろん、入口正面や脇壁、男女浴室の境壁、浴槽上、浴槽の立ち上がり壁、時には浴槽内の底部分にも見ることが出来ます。
まず最初は銭湯訪問時、暖簾をくぐるとまず目につくのは正面にあるタイル絵。
上の写真は港町・横須賀にある斗の湯(まさのゆ・神奈川県横須賀市佐野1-7)
お出迎えするように福助のタイル絵があります。
福助の持つ扇子には屋号が入っています。
次にご紹介するのは宝船。これは横浜天然温泉くさつ(神奈川県横浜市南区井戸ヶ谷上町21-29)
ここは近年建て替えられた近代的な建物の銭湯ですが、以前の古い建物にあったタイル絵をふたたび利用しています。
帆の部分には旧屋号の草津湯の文字入り。
この縁起物の図案も多くの銭湯で採用されています。
次はさらに縁起の良さそうな図柄です。
この絵は太平湯(神奈川県横浜市西区久保町24-34)のもの。
鯉の滝登りと屋号を銜えた鶴の絵。
鯉は滝を登ると龍に変身するという伝説があり、出世をあらわすおめでたい図案とされています。
次は力士の絵です。
これは富の湯(神奈川県横浜市西区西戸部町1-29)
どこかコミカルなお相撲さんが屋号入りの化粧まわしをつけて土俵入りをしている構図です。
さて、次は浴室内のタイル絵をご紹介します。
浴室のタイル絵は奥壁にメインの壁画として、またペンキ絵の下にやはり水のある絵として、それから男女境壁に多く見られます。
この絵は前回もご紹介した三崎の高野湯(残念ながら廃業してしまいました)の男女境壁のタイル絵。
このように各地の風景が図案としてとり入れられていますが、松島や浮見堂、池のある庭園など、やはり水に因んだものになっています。
また、女湯側に多いのですが、昔話を題材とした図案も多く見られるようです。
桃太郎やさるかに合戦などの図案が絵本のワンシーンのように描かれていて、これは幼い子供連れのお客のため、子供に楽しく風呂に入ってもらいたいという事で描かれているそうです。
奥壁にペンキ絵ではなくてタイル絵が採用されている銭湯も多くあります。
こちらは旭湯(神奈川県相模原市旭町24-30)の富士山のタイル絵です。
因みに女湯側は泳ぐ鯉の図案になっているようです。
このようにペンキ絵と同じく水に因んだ構図になっている絵が多いようです。
ところでタイル絵には前出のように縁起をかついだ図案が多いです。
たとえば前出の鯉の滝登りなどの鯉の絵は、鯉=来いとなりお客さんを招くという意味合いがあるのだそうです。
逆にペンキ絵などでは猿=去る、夕日=沈む、紅葉=赤字などは商売上縁起悪いといわれ描かれないといわれていますが、タイル絵に関してはこれは絶対ではないようです(実際に猿が紅葉した渓谷を渡るタイル絵を見た事もあります)。
またタイル絵の普及ですが、浴室奥壁などに描かれるペンキ絵は関東地方周辺に多くみられるものなのに対してタイル絵は全国各地の銭湯に広がっており各地で見ることが出来るようです。
ことに京都では見事なタイル絵で飾られている銭湯も多いということです。
みちくさのついでに銭湯に寄る際にはこのような観察点でも観察してみると、さらに銭湯を楽しめるかもしれませんね。
※掲載した銭湯の浴室写真は他に入浴客が無い時に許可を得て撮影しています。
くれぐれも勝手に写真撮影したりしないようにしましょう。
- まぁやぁ
- 銭湯と路地裏散歩な日々
- 銭湯wiki
- 1960年、東京生まれ埼玉育ち。現在は神奈川県藤沢市に在住。小さい頃は風呂屋のペンキ絵が描きかえられるのを心待ちにしていた子供でした。
現在は路地裏散歩と居酒屋徘徊を趣味としており、産業遺産ならぬ生活遺産に興味を抱き銭湯や古建物などを見て巡っております。
座右の銘は遠い温泉より近くの銭湯、かな。