ガス灯なんて、見たことがない?
いえいえ、今まで意識しなかっただけかも知れません。実はガス灯はたくさんあるのです。
前回の記事でガス灯についての基本的な知識をご紹介しました。
この知識を携えて、実際にガス灯鑑賞の旅に出てみましょう。
大正時代をピークに一回は絶滅したガス灯ですが、モニュメントとしての復元や、ガス灯ならではの柔らかい明かりとレトロな雰囲気を活かした景観作りのアイテムとして、1980年代から数を増やし、バブル期を挟んで爆発的に増えたため、今は全国に6000~7000灯のガス灯があるそうです。
今回は、手始めに東京にあるガス灯鑑賞スポットをご紹介していきましょう。
まずは、東京のガスの発祥の地、京橋のガス灯からスタートしましょう。
発掘された銀座煉瓦街のレンガの上に、瓦斯銀座之碑と京橋の親柱と共に保存されています。明治7年に東京にガス灯が初めて点灯された時に、京橋から金杉橋の間に85基のガス灯が設置されたので、京橋は東京のガス灯発祥の地でもあります。
ここのガス灯は街灯というよりも、あくまでモニュメントとしての復元保存ですので、一基だけですが、灯柱は当時のものを利用し、灯具は再現されたもので、古い上向きマントル一灯タイプのガス灯です。これは裸火ガス灯だった頃の名残でしょう。こちらのガス灯は昭和62年に設置されています。
(1)三菱一号館美術館の中庭
丸の内の煉瓦ビル、三菱一号館の復元に合わせて、旧三菱一号館前にあったガス灯を、建物と同じく忠実に再現したものです。実に煉瓦作りの建物には、ガス灯はよく似合います。
中庭に10基のガス灯が点灯されており、三菱一号館のレンガ造りのレトロな建物に調和する照明となっております。こちらは2009年に設置されました。レトロなのに、まだピカピカです。
かなり気合いいれてそのままに再現してあるため、現代人の光に慣れた目から見ると、暗いな、というのが印象かも知れません。
(2)和田倉噴水公園
夜は噴水も美しい都会のオアシス、和田倉噴水公園のこのしゃれたデザインの街灯照明もよくよく見ると実はガス灯だったりします。ただ、ガス灯だけだと光量不足で暗いので、電灯を使った照明との組み合わせではありますが・・・
ちょっと離れてみると、カモメが飛んでいるようなデザインですね。
いわゆるガス灯のデザインではなく、こうした現代的なデザインでのガス灯も存在しますが、言われないとわかりづらいですね。特徴としては、薄い黄色っぽいオレンジ色で、電気よりも暗く、よく見ると光源が揺らいでいたりするので、ガス灯であることがわかります。また、電灯とは違い、灯具のガラスが透明であるというのも見分けるポイントです。
(1)銀座ガス灯通り
その名も銀座・ガス灯通りには、数は少ないですが、ガス灯の街灯があります。
昭和60年に復元・設置されたもので、ガス灯通りの中ほどに二基ずつ、計四基設置されています。比較的目立たないところにあるので、つい、見過ごしそうになります。
こちらも、古いオリジナルのデザインで上向きマントルタイプのガス灯が再現されています。よく見ると京橋のものと同じデザインですね。この灯具の上が▲▲▲状になっているものを銀座デザインとでも名付けましょうか。
後ろに、ガス灯通りの「電灯」も写っていますが、明るさがぜんぜん違うことがわかります。銀座の電灯について、そのうち機会を改めて紹介したいと思います。
(2)王子製紙本社前(王子ホール前)
王子製紙本社(王子ホール)周囲にも、ガス灯が街灯として設置されています。側面には二灯タイプのガス灯があります。距離は短いですが、なんだか、こっちのほうがずっとガス灯通りという雰囲気ですよね。ガス灯の優しい光と、レトロな街灯デザインにより、落ち着いた景観となっております。
正面側には、京橋や銀座のものよりもずっと小ぶりの灯具になりますが、五灯タイプのガス灯が二基設置されています。なんだかゴージャスですね。なお、こちらのガス灯は休日は消灯されます。
と、そんな感じで丸の内・銀座だけ散策しても、結構ガス灯は存在するものなんだなぁ、という印象ではないでしょうか?
東京には他にもガス灯がたくさんあります。次回に続きます・・・
前回の記事でガス灯についての基本的な知識をご紹介しました。
この知識を携えて、実際にガス灯鑑賞の旅に出てみましょう。
大正時代をピークに一回は絶滅したガス灯ですが、モニュメントとしての復元や、ガス灯ならではの柔らかい明かりとレトロな雰囲気を活かした景観作りのアイテムとして、1980年代から数を増やし、バブル期を挟んで爆発的に増えたため、今は全国に6000~7000灯のガス灯があるそうです。
今回は、手始めに東京にあるガス灯鑑賞スポットをご紹介していきましょう。
1.京橋
まずは、東京のガスの発祥の地、京橋のガス灯からスタートしましょう。
発掘された銀座煉瓦街のレンガの上に、瓦斯銀座之碑と京橋の親柱と共に保存されています。明治7年に東京にガス灯が初めて点灯された時に、京橋から金杉橋の間に85基のガス灯が設置されたので、京橋は東京のガス灯発祥の地でもあります。
ここのガス灯は街灯というよりも、あくまでモニュメントとしての復元保存ですので、一基だけですが、灯柱は当時のものを利用し、灯具は再現されたもので、古い上向きマントル一灯タイプのガス灯です。これは裸火ガス灯だった頃の名残でしょう。こちらのガス灯は昭和62年に設置されています。
2.丸の内
(1)三菱一号館美術館の中庭
丸の内の煉瓦ビル、三菱一号館の復元に合わせて、旧三菱一号館前にあったガス灯を、建物と同じく忠実に再現したものです。実に煉瓦作りの建物には、ガス灯はよく似合います。
中庭に10基のガス灯が点灯されており、三菱一号館のレンガ造りのレトロな建物に調和する照明となっております。こちらは2009年に設置されました。レトロなのに、まだピカピカです。
かなり気合いいれてそのままに再現してあるため、現代人の光に慣れた目から見ると、暗いな、というのが印象かも知れません。
(2)和田倉噴水公園
夜は噴水も美しい都会のオアシス、和田倉噴水公園のこのしゃれたデザインの街灯照明もよくよく見ると実はガス灯だったりします。ただ、ガス灯だけだと光量不足で暗いので、電灯を使った照明との組み合わせではありますが・・・
ちょっと離れてみると、カモメが飛んでいるようなデザインですね。
いわゆるガス灯のデザインではなく、こうした現代的なデザインでのガス灯も存在しますが、言われないとわかりづらいですね。特徴としては、薄い黄色っぽいオレンジ色で、電気よりも暗く、よく見ると光源が揺らいでいたりするので、ガス灯であることがわかります。また、電灯とは違い、灯具のガラスが透明であるというのも見分けるポイントです。
3.銀座
(1)銀座ガス灯通り
その名も銀座・ガス灯通りには、数は少ないですが、ガス灯の街灯があります。
昭和60年に復元・設置されたもので、ガス灯通りの中ほどに二基ずつ、計四基設置されています。比較的目立たないところにあるので、つい、見過ごしそうになります。
こちらも、古いオリジナルのデザインで上向きマントルタイプのガス灯が再現されています。よく見ると京橋のものと同じデザインですね。この灯具の上が▲▲▲状になっているものを銀座デザインとでも名付けましょうか。
後ろに、ガス灯通りの「電灯」も写っていますが、明るさがぜんぜん違うことがわかります。銀座の電灯について、そのうち機会を改めて紹介したいと思います。
(2)王子製紙本社前(王子ホール前)
王子製紙本社(王子ホール)周囲にも、ガス灯が街灯として設置されています。側面には二灯タイプのガス灯があります。距離は短いですが、なんだか、こっちのほうがずっとガス灯通りという雰囲気ですよね。ガス灯の優しい光と、レトロな街灯デザインにより、落ち着いた景観となっております。
正面側には、京橋や銀座のものよりもずっと小ぶりの灯具になりますが、五灯タイプのガス灯が二基設置されています。なんだかゴージャスですね。なお、こちらのガス灯は休日は消灯されます。
と、そんな感じで丸の内・銀座だけ散策しても、結構ガス灯は存在するものなんだなぁ、という印象ではないでしょうか?
東京には他にもガス灯がたくさんあります。次回に続きます・・・
- 夜景専科(本名:三原 崇)
- 夜景専科blog
- 1974年横浜生まれ、千葉育ち、東京暮らし。某情報サービス企業でWeb系業務を担当。
仕事があまりにも多忙だったため、夜しか遊べず、夜を撮るきっかけに。カメラは30才を超えてから。一眼レフを持ってあちこち出歩くのが趣味です。一応、夜以外も撮りますけども。