記事2saka1坂道散歩に興味を持っている人でくくるならいろんな世代の方々がいるとは思いますけど、
このみちくさ学会の読者の方々ということでいえば、事務局のかたから聞いた話ではおそらく僕より年下かもしくはすこし年上の人たちが主な読者層とのこと。ということは、僕自身もそうでしたが、以外と歴史のある坂道周辺にはお寺や神社がけっこうあるということは知らない人も多いかもということで、今回はなんとなく古くさいけどなんだかなつかしい感じのする坂道と寺社の関係についてすこしばかりふれてみたいと思います。

東京に点在する坂道にはご存知のとおり、坂名があれこれついていることが多いです。その中に氷川坂、稲荷坂、八幡坂、善光寺坂、金剛寺坂など寺社にちなんだ名前の坂道がいくつかあります。氷川坂ならすぐ隣に氷川神社、善光寺坂なら善光寺という具合にです。
そして、一枚目の写真もそういう坂道のひとつで「円通寺坂」とよばれています。場所は港区赤坂5丁目あたり。といってもピンとこないかたも多いと思いますけど、この坂道のすぐとなりにはTBS(テレビ局)があるといえばなんとなくイメージできますかね。そして、この坂道はうまいこと坂の途中に名前の由来ともなった円通寺が隣接しており、本殿はさすがに見えていませんが境内にある鐘楼が坂道から見えていました。まるでセットでもこしらえたような風景ですけど、ちゃんと昔からある場所というか坂道です。ちなみに、これらの寺や坂道の史実については(字数制限もありますので)割愛しますけど、やっぱりそれなりの物語はあるみたいです。
あと寺社に深く関係している坂道といえば、男坂・女坂は有名だと思いますけど、これらについてはのちほどということで。

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また、寺社に関係のなさそうな名前の坂道を歩いていても、坂の途中でお寺や神社にでくわすこともあります。
2枚目の写真はそんな坂道の風景です。はじめにとりあげた円通寺坂から徒歩2・3分といったところにあり「三分坂」と呼ぶそうです。そして坂の途中には報土寺というお寺があります(ちょうど人が歩いているあたりの右側に見えています)が、坂の名前とはまったく関係なさそうです。
今回はたまたま場所の近い二つの坂道を取り上げてみましたが、そのほかにも場所によっては坂の途中に二つ三つと寺社があるところもあるなど、僕自身、坂道を何度も歩く中であらためて気がついたことでもありました。

そんなわけで、地図を片手にぶらぶらしながら、近代的なまちなみの中にひっそりと存在する坂道そのものの史実を調べてみたり、その道中にある寺社の史実を調べるのもいろんな発見があっておもしろいですよ。





  • 雲本らて

  • 東京坂道さんぽ

  • 1973年7月、兵庫県(というか神戸)生まれ、♂(男性です)。世田谷区在住。
    現在は「東京坂道さんぽ」というブログを運営しながら、坂道観察などを続けています。