東京ゲートブリッジ
東京ゲートブリッジ(名称確定以前の仮称:東京港臨海大橋)は、大田区城南島と江東区若洲とを結ぶ東京港臨海道路に架けられる橋。最後の桁となる中央の径間箱桁が架設されることにともない、2011年(平成23年)2月27日に「東京ゲートブリッジ 中央径間箱桁架設工事 現場見学会」が行われました。

東京港臨海道路の一部となる東京ゲートブリッジ


東京の臨海部では慢性的な渋滞を緩和するため、「東京港臨海道路(とうきょうこうりんかいどうろ)」が整備されています。

大田区城南島から中央防波堤外側埋立地を経て江東区若洲までの約8kmのうち、臨海トンネルを含む城南島側の約3.4kmはすでに供用、東京ゲートブリッジを含む若洲側の約4.6kmは2011年度(平成23年度)の供用を目指して整備が進められています。

東京ゲートブリッジのスケールは、以下のようになっています。
全長:2,933m(東京から浜松町までとほぼ同じ)
水面からトラス最上部までの高さ:87.8m(25階建てビルに相当)
海上区間の長さ:1.618m(レインボーブリッジの約2倍)
主橋梁部に使用される鉄骨の量:約2万トン(東京タワーの約4倍)

東京ゲートブリッジを含む東京港臨海道路は、大型車だけでなく一般車や歩行者も無料で通行することができます。

早朝、3,000トン吊級大型クレーン船「富士」により、前日に海面から約20メートルの高さまで吊り上げられた「中央径間箱桁」が、架設ポイントへ移動します。
中央径間箱桁を海面から約70メートルの高さまで巻き上げ、15メートル手前から前進、位置を調整しながら約60メートルの箇所へと架設します。
今回の架設により、中央防波堤外側埋立地側と若洲側とがつながり、ひとつの橋となります。
img_a-02
中央径間箱桁は、長さ:約108メートル、幅:約24メートル、高さ:約4.5メートル、重量:約1,600トン(仮設備を含めて約1,900トン)。千葉県袖ヶ浦市で造られて、台船で運ばれました。
img_a-03
船に乗り、東京港の内側から東京ゲートブリッジを見てみることにします。工事の現場となっている第三航路は、4時から18時30分まで全面閉鎖されています。
img_a-04
東京ゲートブリッジを正面から望みます。奥には、東京の街を一望することができます。
img_a-05
中央径間箱桁は、大型クレーン船で約2cm吊り上げられた状態で、勾配および位置の調整が行われています。 
img_a-06
ミリ単位の橋桁の位置調整や仮ボルト締めなどが進みます。

東京ゲートブリッジは三角形の組み合わせ


若洲側のトラス桁の、端橋脚のたもとに設置されている桟橋から、橋の上へと移動します。
6人乗ることができるエレベーターで、端橋脚とトラス桁の間まで上がります。
img_a-07
端橋脚の上から、中央防波堤外側埋立地側となるトラスの内側を望みます。
トラス橋の特徴である短い材料を使っての三角形の構成は、つなぎ合わせることで、橋桁の重さを分散させることができます。
img_a-08
工事用の階段で、端橋脚とトラス桁の間から橋の上まで移動します。先は、中央防波堤外側埋立地側となります。
img_a-09
到着したばかりの中央径間箱桁を架設する作業が行われています。中央径間箱桁を架設するため、両側のトラス桁は一時的に約25センチ、陸の方へ移動してあるとのことです。
img_a-10
若洲側の、歩行者用のエレベーター施設です。
img_a-11
先は、若洲側となります。都心側には、約1.6kmの歩道が整備され、高さ約2メートルのフェンスが設置されます。雨水ますに集められた雨水は、管路を通って地上まで送られ、処理されます。
img_a-12
海上区間と陸上区間との接続部分が見えてきました。
歩行者と自転車は、中央防波堤外側埋立地側と若洲側の両方に設置されるエレベーターを使って行き来することになります。上部には展望室も用意される予定です。

今後は、約1年をかけて舗装、高欄、照明機器の取り付けなどを実施します。
img_a-13

ここにて「東京ゲートブリッジ 中央径間箱桁架設工事 現場見学会」は終了となります。
img_a-14
今後は、約1年をかけて舗装、高欄、照明機器の取り付けなどを実施します。

東京ゲートブリッジが完成し、東京港臨海道路が全線開通すると、新木場・千葉方面と羽田・横浜方面との移動おいて、慢性的な渋滞となっている有明・青梅を通らずにアクセスが可能となり、中央防波堤外側埋立地と新木場との移動時間が従来に比べ約4割短縮されます。これにより東京臨海部における渋滞が緩和され、物流は円滑となり、年間約300億円にもなる経済効果があるとのことです。

東京ゲートブリッジを間近でご覧になる場合は、江東区立若洲公園がおすすめです。

今回の記事をもう少しだけ詳しく読みたい方は「東京ゲートブリッジ 中央径間箱桁架設工事 現場見学会 - ラジエイト」をご覧ください。




  • 大上祐史

  • http://radiate.jp/

  • 「ラジエイト:関東の国土や交通に関するイベントアーカイブ」を運営。
  • 1973年、東京都生まれ。妻・長女・長男・自分の4人家族。
  • ツイッター http://twitter.com/radiate_jp