古い街並みをあちらこちらみちくさしながら最後に銭湯にたどり着く。
今回はふたたび埼玉県の秩父市を歩いて、最後にクラブ湯(埼玉県秩父市東町12-16)に入ってきました。

秩父神社から南にのびる古い街並みの残る番場町、東町界隈を今回は暗くなってから歩きます。

スタートは秩父神社(埼玉県秩父市番場町1-3)。


暗くなってから訪れたので表門は閉まった状態でした。
ちなみに有名な秩父夜まつりはこの神社の祭礼です。

秩父・番場町の古い商店街にある煙草屋「小池煙草店」です。
昭和9年築のレトロモダンな煙草屋店舗、角地を活かしたデザインが素敵です。


登録有形文化財に指定されている建物、2階部分の幾学的に装飾、窓周りのデザインなどが秀逸です(※写真がオレンジ色なのは街灯の色合いのためです)。

煙草屋の斜向かいを入った2軒目にレトロモダンな建物の「パリー食堂」があります。


同店は昭和2年に「カフェ・パリー」として建てられた木造モルタル2階建て(正面から見ると3階建てに見える造りになっています)の正面の壁面には現役かは不明ですが古いネオン管の看板と近年リニューアルした大きな金文字の看板が取り付けられています。
正面に並ぶ窓の装飾造形が凝っています。


同店は昭和2年にカフェとして開業、その後に料亭となり、さらにその後食堂になったということです。
店の脇に古い営業許可看板が取り付けられていました。


パリー食堂は平成16年に登録有形文化財に登録されています。

また、街角には所々にこんなモニュメント?オブジェが設置されています。


これは河童ですが、他にもカメラだったり伝説の神獣だったり、かなり色々なのがあります。
明るいうちなら見て周るのも面白いかもしれません。

そして本日の目的地「クラブ湯」はこんな街並みをさらに路地裏を入った所にあります。


入口は外から男女別に分かれていて扇型の男湯・女湯の表示がすりガラスの引き戸の上に載っています。
暖簾は掛かっていませんが外の行灯看板にも明かりが点いていて営業中。
左手の男湯のガラス戸をガラガラと開けて入ります。
中に入ると小さな靴脱ぎスペースのタタキにスノコが引いてあり、右手番台の下に靴のロッカーがあります。
しかし客は誰も使っていないようなので私も靴を揃えて端に置きます。
小型の低い番台越しにとても物腰の柔らかい感じの女将さんが女湯側から来て料金を受け取ります。

同湯は脱衣場、浴室とも地方サイズの小型ですが、基本は奥壁側に浴槽のある関東型の銭湯です。
脱衣場は木製の床で島ロッカー等は無く脱衣籠が積まれています。
男女境壁側は鏡になっていて上に小さな台があり蛙の置物がのっています。
その前にはドリンクの冷蔵庫と小型のコミック本の入った書棚が置かれています。
左側は入口側半分ほどは外に向かってガラス戸と濡縁になっていて外はトイレになっていて、その前はイスとテーブルの休憩スペースがあります。
浴室寄りには常連用の風呂道具置きの棚と現在は稼動しているのかはわからないレトロな木製の一人用サウナが置かれています。



さて浴室。
天井は東京銭湯に似たような奥壁側寄り2/3が湯気抜きの2段式。
奥壁には富士山と湖のペンキ絵があり同じ秩父の寶湯と同じエバラ尚栄堂の作。
その下は深浅の2浴槽になっています。
壁側の両浴槽の境に洒落た湯口があり温泉の様、薄紫色の浴用剤の入った湯が注がれています。
カランは両壁側と鏡の無いシンプルな島カラン1基、3.3.3.3の配列で男女境壁側のみシャワー付きです。
同湯は古いつくりですが無駄な手を加えておらずに昔ながらの造りがいい感じです。
清潔に保たれていてとても良い銭湯でした。

クラブ湯
住所・埼玉県秩父市東町12-16 営業は15:00~22:00 お休みは月曜日





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  • 1960年、東京生まれ埼玉育ち。現在は神奈川県藤沢市に在住。小さい頃は風呂屋のペンキ絵が描きかえられるのを心待ちにしていた子供でした。

  • 現在は路地裏散歩と居酒屋徘徊を趣味としており、産業遺産ならぬ生活遺産に興味を抱き銭湯や古建物などを見て巡っております。

  • 座右の銘は遠い温泉より近くの銭湯、かな。