京都で唯一、現在でも鍾馗さんを作っている浅田製瓦工場の工場見学会に昨年春、参加しました。
鍾馗さんの製作過程をレポートします。

ここでは石膏製の型で鍾馗さんを作っています。百回くらい使うと磨耗で寿命になるそうです。




型に粘土を薄く丁寧に詰めていく。簡単そうだが素人がやると大抵ここで失敗するらしい。



前後の型を合わせて、



鍾馗さんが姿をあらわす。



ほっと一息、三代目当主の浅田晶久さん



奥が焼く前、手前が出来上がり。 焼くと14%ほど縮むそうです。



町ではこんな感じで見かけます。京都でよく見かける鍾馗さんとそっくりだがちょっと違う。
第5回記事のカバーに掲載した金箔鍾馗さんと見比べてみてください。


このように現代の鍾馗さんは型抜きで作られます。
同じ鍾馗さんがいくつも見つかる場合、型で作られていると思って間違いないでしょう。
そして、型から外せなくなっては困るので、例えば剣は身体から離れないように、
翻る髭もあまり先端がとがらないようになど、デザインも色々工夫してあります。
ただ、そういった鍾馗さんばかりが街にあふれては、面白みが少ないのも事実。


ひとつひとつ手作りの鍾馗さんもある


近江八幡市内で見つけた三兄弟


いかがでしょう、この素朴さ。幼稚園児のおゆうぎか!という水準ですがこれも鍾馗さん。
立派に屋根を護っています。手作りに決まってますね。

逆に技術を駆使した鍾馗さんの中には、絶対に型では作れなさそうなものもあります。


こんなのとか(大阪府豊中市)



こんなの(京都府井手町)


これらの鍾馗さんは絶対に型では無理だと思います。職人(鬼師)がひとつひとつ手作りで丁寧に作ったのでしょう。


京都府上京区


この鍾馗さんは一見、型抜き量産品と思わせますが、淡路島の瓦屋「タツミ」さんのブログで製作工程が紹介されていたことから、一品ものであることが判明しました。2008年うまれのまだ2才。
京都市内を歩いていて、たまたま見つけた鍾馗さんですが、以前にこのブログを見て鍾馗さんの表情が記憶に残っていたので思い出すことができました。
こんな形で一品ものの来歴がわかったのは初めてで、個人的には結構興奮しました。

現在見られる鍾馗さんの九割がたは型物ですが、こういった一品ものは作者の個性が現れていて見飽きません。鍾馗探索の醍醐味です。




今回紹介した鍾馗さんたち


京都市下京区
<0050>
近江八幡市八木町・土田町・加茂町
<0527><0527><0543>
豊中市庄内東町
<0969>
京都府井手町井出
<0569>
上京区中筋通
<1226>



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※<>内の数字は筆者HP「鍾馗博物館」内・収蔵室の通し番号です。





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  • 愛知県在住の会社員、1961年生まれ。
    週末のたびに関西方面へ遠征し、民家にひそむ鍾馗さんに望遠レンズを向けてます。
    不審尋問には笑顔とポケット版鍾馗ファイルで対抗するも、追い払われることもしば
    しば。