今回は、杉並区技能検定試験の本試験問題を解説します。近年高度化する杉並の傾向と対策をしっかり把握して、君も立派な杉並士を目指そう!
【第1問】次の(A)、(B)に当てはまる旧町名を答えよ。(2点)
(A)+(B)=成田東

【第2問】次の旧町名・現町名・地名・国名のうち、実在するものはいくつあるか答えよ。(2点)
(上荻窪、西荻窪、南荻窪、北荻窪、東荻窪、新荻窪、下荻窪、闇荻窪、荻窪帝国)
(1)4つ
(2)5つ
(3)すべて実在する。
(4)すべて架空である。

【第3問】「杉並町」という町名は存在した。○か×か。(46点)



≪解答・解説≫
【第1問】[正解](A)「成宗」、(B)「東田町」


成宗は1968(昭和43)年に、東田町は1969(昭和44)年にそれぞれ消滅し、「成田東」が誕生し今に至る。なお「成宗」は戦国時代に当地を開拓した成宗氏に、「東田町」は「田端村の東側」にそれぞれ由来する。ちなみに「成宗+西田町=成田西」である。

【第2問】[正解](1)4つ
実在の町名は以下のとおりである。
・上荻窪→現在の上荻など。1969(昭和44)年に消滅。
・西荻窪→現在の西荻北、西荻南。1970(昭和45)年に消滅。
・南荻窪→現存。
・下荻窪→下荻窪村~井荻町下荻窪として1932(昭和7)年まで存在。現:南荻窪など。
写真3

「東荻窪」を実在する町名と判断した受験生が多く見られた。「東荻窪」は存在しないが、「東荻町」という旧町名は1969(昭和39)年まで存在していた。なお、荻窪帝国は杉並区民の悲願である。

【第3問】[正解]○
杉並町は存在した。ただし市町村の「町」としてである。したがって「杉並区杉並」等の様な形式では存在しない。杉並町は1932(昭和7)年10月の東京市への編入をもって消滅し「杉並区」が誕生した。「杉並町」と表記されている表札は、探せばありそうだね。

【総評】
本年は基礎力のみならずより実務に即した応用力、判断力が総合的に求められる傾向にあった。特に第3問においてその傾向が顕著であり、従来の勉強方法では太刀打ちできずに涙を呑んだ受験生諸君も多かったことだろう。真の「考える力」が問われる本設問は、従来の暗記偏重の受験産業ひいては日本の教育に一石を投じるものであったといえる。また、配点に問題があったことは報道のとおり。

以上、杉並区の旧町名を3つご紹介しました。今回も最後までご覧いただきありがとうございました。こんな検定試験はないです。




  • 102so

  • 旧町名をさがす会

  • 1983年生まれ、福島県出身。東京都内に残る旧町名を探しまわり、(ほぼ)毎日1町名ずつブログにて紹介しています。ネタ切れまで頑張ります。みなさんからの旧町名発見情報や、ちょっとあの旧町名探してこいや的なご依頼等お待ちしています。名前は新宿区十二社(じゅうにそう)から。