普段とは赴きが異なる写真から始まりましたが、今回は頑張っているトマソンをご紹介します。「頑張っている無用の長物」、強烈に無駄っぽいけど、でも頑張っている姿をどうぞ。
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 建物の塀と木。というと良くある街角の風景なのですが、ところがどっこい全然違う。良く見ると違う。

 どう違うのかといいますと、木が塀を押しのけて、食い込んでいるのです。
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 庭に生えた木がコンクリートの塀を押しのけ、フェンスを根に食い込ませ、それでもしっかりと元気に大地に根を生やして隆々たる姿を誇っている。

 生命力の強さを感じさせるこのような物件を植物系トマソンと称します。特にこのように無機物にくっついたものを「もの喰う木」と呼びます。無駄なんだけど、とても元気。ちなみにこの物件、東京都大田区、都営浅草線西馬込駅のそばにあります。
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 続いては街路樹。歩道に等間隔に植えられた樹木は、日陰を作ってくれたり我々の眼を楽しませてくれたりするのですが、トマソン的な街路樹となるとそれに加えてちょっと変わった風景を見せてくれます。
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 この物件も先程と同じく東京都大田区ですが場所は異なり東京モノレールの新整備場駅近くにあります。
 街路樹の回りにある柵に、木ががっちりと食い込んでいます。1つ目の物件とはやや異なる状態ではありますが、分類としてはこちらも「もの喰う木」というトマソンに分類されます。

 過去ご紹介してきたトマソンとは大きく異なるのですが、逆にこういった植物系トマソンは見かける機会が多いかと思います。
 都心部では都市計画の一環として、公園や緑地、建物内のビオトープといった形で計画的に樹木が配置されてきている傾向にあるので、郊外の方が見つけやすいと思います。例えば築年数が経っている一軒家と近接している樹木などは、トマソン化している可能性が比較的高いと思われます。
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 最後は「もの喰う木」ではないのですが、植物によってトマソン化した、という意味ではとても面白い物件です。場所は東京都新宿区、東京メトロ丸の内線新宿御苑駅の近くにあります。全景はこの記事最初の写真となります。

 住宅の扉の目の前に木が生い茂ってます。どういう事でか分かりませんが、扉の目の前に、木が生えているのです。

 つまりこの扉から出入りしようとすると、木をかきわけて、それでも邪魔だからきっとえいやと枝を脇にはねのけて、やっとの事で入るという事になるのですが、実際問題一日に何回もそんな事はしてられない。なのでこの扉を使わず、その脇にあるドアから出入りするのですが、じゃあこの引き戸はなんなんだ、という事になります。ああ無駄。
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 この物件に関しては都会の中にいきなり木があった上に、我関せずといった風情で生き生きとしているのがとても楽しい。見てるこっちも「無駄だけど元気な木だなぁ」と感心します。

 
 町はその景色を変えていくのだけれでも、その中で木々はしっかりと根を生やして、切られる事もなくしっかりとそこに存在している。そんな強い姿は、生命力の確かな強さを感じさせてくれるのです。






  • 川浪 祐

  • From Basshead For

  • 1975年生まれ。中学生の頃父親の書棚にあった「超芸術トマソン (ちくま文庫)」を読んでしまい、トマソン探しの人生を送るようになる。元々は音楽やフェスの話などをしていたブログも今ではすっかり路上観察一色。