外蛇口が家の中にある蛇口と違うことのひとつに流し台が必要無いことが挙げられる。
あくまで「必要無い」だけなので、基本的には無い場合が多いのであるが
場所によっては受け皿となる流し台が設置されているものもある。
今回はそんな受け皿付きのものを鑑賞したい。


まずは本体も受け皿も石造りで統一された一品。
少し遠くまで旅に出た先の無人駅のお手洗いにあるような、
なんだか旅情を感じる外蛇口である。
改札を出た横の小屋がお手洗いになっていて、その横にあるような。
20年くらい前から恐らくそこに存在し続けているに違いない。
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こちらは築40年は経っている団地にあったもの。
蛇口部は新しくなっているものの、この受け皿部分が凄い!
造られてからかなりな年数が経っていると思わせる風格がある。
生活に密着した使われている感が半端無いのだ。
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これも生活密着型だ。
雨樋の先と共有しているのは生活の知恵であろう。
おばあちゃんの知恵袋がここにある。
そうそう、ホース無いと水が自分に飛び散るんだよ。
痒い所に手が届くこの一品。
持ち主の方は相当気の効く方に違いない。
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ちょっと小さめの受け皿に植木鉢が2つ。
そして左にはでかいタンクが!
そういえば、新潟の従兄弟の家がこんな感じだった。
この蛇口は左右にある程度動かせるように見えるので、
植木に水をあげるにはもってこいだ。
すくすく育って頂きたい。
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ガソリンスタンドに行くと高確率で置いてあるこの受け皿。
大容量の水を貯めることができるすぐれものだ。
通常は蛇口の下にあることが多いが臨機応変な黄色いヤツは頼もしい。
あえて難を言えば溢れた時は漏れる一方ということくらいだろうか。
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町の祠で見つけた素晴らしい受け皿。
この石造りの立派なこと!
もう、何世代も前から見守ってきた受け皿に水を注ぐのは
今の世代の新しい外蛇口である。
同世代で統一されて一番最初に紹介したようなものも素晴らしいが、
新旧混ざって共存しているこの一品も素晴らしい。
こういうタイプはホースが無い方がかっこいい。


外蛇口の魅力のひとつは場所を選ばないことだ。
建物の中で自由自在に蛇口を設置されたら水浸しになって大変なので、
台所や風呂場やお手洗いなどの水回りが定位置となるが、
建物の外においては関係無いのだ。

受け皿を置く、ホースをつける、そんなの気にしないぜ!
なタイプでも何となくやっていける自由な世界なのである。
いろんな選択肢の中であえて受け皿となる流し台を選んだタイプは
協調性を大事にする存在なのだろう。