お気に入りの喫茶店の見つけ方は、一言でいうと「入ってみるしかない」に尽きるのですが。
その店の良し悪しは、外から見ただけではわかりません。
今回は具体的などこの店という紹介でも写真でもなく、私の思うお気に入りの店の見つけ方を書いてみようと思います。長くなってしまったので前編・後編に記事を分けます。
これは私が日々喫茶店に入っていて、そこを取材するかしないかを決めるポイントとも重なります。取材するということは人にお勧めするということですから、必ず一度客として入って、そこで時間を過ごして決めています。
だいたい日々生活していると、お仕事をしてる人なら仕事で出入りする町、学生さんなら通ってる学校のある町、主婦の方ならマイホームのある町、自分が長い時間いる町って決まっていると思います。たいてい町に渋い喫茶店ってある。一見、見知らぬ人を拒絶しているように感じるくらいひっそりしてる店もありますが、中に入ってみると全然違う世界がそこで展開されている場合もありますから、気になったら一度入ってみることをオススメします。失敗する場合もあります、けれどその失敗を楽しんでこその、お気に入りの店探しと思ってください。
どの町にもチェーン店もありますが、チェーン店はどこの店舗に入っても同じでなくてはいけないっていうことを前提にやってるから、どの町で入っても内装も似ているし、接客方法も、コーヒーの味も使ってる器も同じ。ゆっくりとコーヒーの時間そのものを楽しみたいときは、それじゃちょっと味気ないですよね。
コーヒーの淹れ方には、大きく分けて4つあります。まずは機械、それからネルドリップ、サイフォン、ペーパードリップ。このどれかの方法で淹れているところが殆どです。機械以外は手で淹れているということで、人間のやることですから当然味が全然違ってくる。店主たちは、その変わりがちな味をいかに毎日同じ味に近づけるかということに注力しています。
同じ豆でやってもそうですから、豆が違えばまるで別物になるのが当たり前のことです。
ネルは布のフィルターを使って落とすやり方で、ペーパーはそれが布ではなくて紙。サイフォンは以前、虎ノ門のヘッケルンの記事でご紹介したようなフラスコみたいなのを火にかけて落とすやり方。
サイフォンならば入った瞬間に器具が見える場合が多いのですぐにわかりますが、それ以外は実際コーヒーを注文してマスターが淹れるところを見ないとわかりません。
長年営業している店の場合、10杯分とか20杯分とかまとめてネルで点てて、出す直前に鍋で温めて出す場合があります。ときどきこれを手を抜いていると勘違いされる方がいますが、これは手抜きなのではなく、まとめて点てたほうが美味しくなるという方針の元にやっている場合が殆どです。だから、鍋で温めているところを目撃しても、それでがっかりしないでくださいね。
アイスコーヒーも同様です。私が取材してきた限り、アイスはとくにまとめて点て、淹れてからしばらく時間を置いた方が美味しくなるという店主が多く、アイスが注文後すぐに出てくることが多いのは、朝点てて置いている場合が多いからです。
次に、店のスタンスがわかるポイントは、カウンターがあるかないか。
カウンターがあってお客さんが座れる状態になっているのは、店のお客さんと話をするのが前提という場合が多い。誰とも話もしたくない、話しかけられるのも嫌、という方はカウンターのないお店がお気に入りになるかもしれないですね。
カウンターに座るにしても座らないにしても、私は結局話すことになるのですが。
(後編につづく)
今回は具体的などこの店という紹介でも写真でもなく、私の思うお気に入りの店の見つけ方を書いてみようと思います。長くなってしまったので前編・後編に記事を分けます。
これは私が日々喫茶店に入っていて、そこを取材するかしないかを決めるポイントとも重なります。取材するということは人にお勧めするということですから、必ず一度客として入って、そこで時間を過ごして決めています。
だいたい日々生活していると、お仕事をしてる人なら仕事で出入りする町、学生さんなら通ってる学校のある町、主婦の方ならマイホームのある町、自分が長い時間いる町って決まっていると思います。たいてい町に渋い喫茶店ってある。一見、見知らぬ人を拒絶しているように感じるくらいひっそりしてる店もありますが、中に入ってみると全然違う世界がそこで展開されている場合もありますから、気になったら一度入ってみることをオススメします。失敗する場合もあります、けれどその失敗を楽しんでこその、お気に入りの店探しと思ってください。
どの町にもチェーン店もありますが、チェーン店はどこの店舗に入っても同じでなくてはいけないっていうことを前提にやってるから、どの町で入っても内装も似ているし、接客方法も、コーヒーの味も使ってる器も同じ。ゆっくりとコーヒーの時間そのものを楽しみたいときは、それじゃちょっと味気ないですよね。
コーヒーの淹れ方には、大きく分けて4つあります。まずは機械、それからネルドリップ、サイフォン、ペーパードリップ。このどれかの方法で淹れているところが殆どです。機械以外は手で淹れているということで、人間のやることですから当然味が全然違ってくる。店主たちは、その変わりがちな味をいかに毎日同じ味に近づけるかということに注力しています。
同じ豆でやってもそうですから、豆が違えばまるで別物になるのが当たり前のことです。
ネルは布のフィルターを使って落とすやり方で、ペーパーはそれが布ではなくて紙。サイフォンは以前、虎ノ門のヘッケルンの記事でご紹介したようなフラスコみたいなのを火にかけて落とすやり方。
サイフォンならば入った瞬間に器具が見える場合が多いのですぐにわかりますが、それ以外は実際コーヒーを注文してマスターが淹れるところを見ないとわかりません。
長年営業している店の場合、10杯分とか20杯分とかまとめてネルで点てて、出す直前に鍋で温めて出す場合があります。ときどきこれを手を抜いていると勘違いされる方がいますが、これは手抜きなのではなく、まとめて点てたほうが美味しくなるという方針の元にやっている場合が殆どです。だから、鍋で温めているところを目撃しても、それでがっかりしないでくださいね。
アイスコーヒーも同様です。私が取材してきた限り、アイスはとくにまとめて点て、淹れてからしばらく時間を置いた方が美味しくなるという店主が多く、アイスが注文後すぐに出てくることが多いのは、朝点てて置いている場合が多いからです。
次に、店のスタンスがわかるポイントは、カウンターがあるかないか。
カウンターがあってお客さんが座れる状態になっているのは、店のお客さんと話をするのが前提という場合が多い。誰とも話もしたくない、話しかけられるのも嫌、という方はカウンターのないお店がお気に入りになるかもしれないですね。
カウンターに座るにしても座らないにしても、私は結局話すことになるのですが。
(後編につづく)
- 塩沢 槙(しおざわ まき)
- http://www.makishiozawaphotography.com
- 塩沢槙 写真執筆事務所ブログ
- 撮影業・執筆業。1975年生まれ、東京都出身。1999年~2000年ロンドンへ留学。帰国後、大学在学中より仕事を始める。近年は東京の街や文化、日々の生活・暮らしに特に興味を持ち、書籍の制作を中心に活動中。2007年『東京プチ・ヒーリング』、2009年『東京ノスタルジック喫茶店』、2010年
『東京・横浜 リトル・カフェ物語』を河出書房新社より上梓。2011年7月、撮影・執
筆共に手がけた著書4冊目となる『東京ノスタルジック喫茶店2--郷愁の喫茶を訪ね
て』が河出書房新社より発売になり、好評発売中。