「銭湯王国・北千住」。
前回の続きとして北千住の街の銭湯巡り、今回は西口側の銭湯を歩きます。
駅西口を出て時計回りに現存する8軒の銭湯をご紹介していこうと思う。
また、前回同様全てに入ることはさすがに出来ませんので全てを歩いて外観は撮影し、その中にある銭湯の内の3軒に入浴して来ました。
前述のとおり街中の古い和風のビジネス旅館に宿泊。
ここがまたいい感じの宿で中庭に池があったりする昔ながらの旅館、昔風に云うと商人宿という感じでしょうか。
朝から街歩きをします。
というのも銭湯のオープンは概ね15時から。
それまでは街中の古い建物などを巡ります。
今回も写真が多くて銭湯以外をご紹介出来ないのが残念です。
まずは千住の宿場町通りを北のはずれの方に行くと旧水戸街道と日光街道の分岐点の手前に「槍かけだんご・かどや」という団子屋があります。
ここは水戸藩士が江戸~水戸の往来に通行中、槍を立て掛けて休んだ松の木の名前に由来する店で有名なのですが、今回用があるのはこの建物の裏手。
ここに先日廃業してしまった銭湯「梅の湯」の建物がそのまま残っています(東口の梅の湯と屋号は同じですが別の銭湯です)。
レトロで趣きある銭湯として評判の良かった梅の湯ですが今年(2011年)2月に廃業してしまいました。
閉店していますから敷地には入れないので外からみると建物はまだあります。
というか建物はそのままで足場が組まれていて、よく見ると脱衣場棟の瓦屋根を板金ものの鉄板葺き屋根に直しているようです。
脇の通りにまわると浴室棟もそのまま屋根が葺き替えられている。
もしかしてこのまま他の用途に転用されるのか?
だとしたら建物がまた見られる機会もあるかもしれませんね。
さて、駅前西口まで戻り、左手から歩きます。
第1湯は「小桜湯」
墨堤通り沿いに建つビル銭湯です。
暖簾の掛かる男女入口がそれぞれ建物の端と端にあり階段を登って番台に行く造りになっています。
小桜湯
東京都足立区千住仲町27-13
営業時間 15:00~24:00
定休日 第2,4月曜(祝日は翌日休)
さて次は墨堤通りを西へ。
水戸街道でひとつ北の千住警察署交差点まで行って左へ入るとすぐ左手にあるのが「旭湯」。
瓦屋根の昔ながらの銭湯でフロント式。
モザイクタイル絵が奥壁にあります。
旭湯
東京都足立区千住宮元町13-10
営業時間 14:30~23:00
定休日 土曜日
旭湯の前の通りをしばらく北上、千住青葉中学校の交叉点を左へ行くと再び墨堤通りへ。
出た所で少し左手の向かいを見るとあるのが「緑湯」です。
唐破風に千鳥破風の瓦屋根が重なるレトロな東京銭湯。
同湯の横は学校のグラウンドになっているので横からもその建物を見ることができます。
軒に波型の懸魚の掛かる入口、暖簾をくぐって入ると突きあたりは大きな傘ロッカー。
右手が男湯入口となります。
中は番台式。
脱衣場は高い折上げ付きの格天井、ロッカーは島ロッカーと外壁側。
少々暑い日にて脱衣場と浴室間の扉は開け放たれていて解放感があります。
浴室はこれがまたレトロ。
奥壁には男女浴室に跨って富士山のペンキ絵。
その下には金魚の図柄のタイル絵、男女境壁にも洋風の山と湖などの風景タイル絵があります。
浴槽は3つに分かれており、男女境壁側から小さい薬湯、釜室への通路を挟んで深い浴槽、浅い浴槽と並んでいます。
カランは両壁側と島カラン1基、8.5.5.8の配列となっています。
この浴室の床のタイルは小石状タイル、所々に貝殻や蟹などの模様タイルが取り入れられています。
全体的に昔からのタイルがそのまま残されているのがとても良い風合いとなっています。
内外とも古いまま残されているレトロ銭湯でした。
緑湯
東京都足立区千住宮緑町3-28-1
営業時間 15:00~23:00
定休日 不定休
さて、緑湯を出て元来た道を千住青葉中学校の交叉点まで戻ります。
少し右手に行くと変則5差路の交叉点があります。
ここを北へ向かう狭めの路地へ入り、ひたすら北に向かいます。
もう少しで荒川というところまで来ると突きあたりになり、正面に立派な銭湯が建っています。
ここが「タカラ湯」。
千鳥破風屋根が二段に重なるレトロ銭湯。
昭和2年創業、現在の建物は昭和13年築という。
入口の軒には飛翔する鶴を模った懸魚が下がっている。
その下には屋号に因んだ宝船の彫刻があり素晴らしい(トップ写真参照)。
暖簾をくぐると中は近年に改装されてフロント化されており、その前には広い休憩スペースが確保されています。
フロントを挟んで左手が男湯入口。
中は全体的に新しく改装されていてあまりレトロ感はありません。
脱衣場に入ると木目建材で化粧直しされた格天井。
ロッカーはフロア中央の島ロッカーと入口側造り付けのロッカー、脱衣カゴも積まれています。
左手は縁側にでるガラス戸になっていて、縁側の外は浴室側に廻り込むようにして見事なお庭があります。
こちらの銭湯の最大の見どころはなんといってもこのお庭でしょう。
写真だけ見ると、とても銭湯のお庭には見えない立派な庭園、さすが「キング・オブ・縁側」とか「キング・オブ・庭園」といわれるタカラ湯です。
脱衣場外側にL字型に付けられた縁側は磨きこまれた木の感触が湯上りの足裏に心地よいです。
木製の欄干が設けられていて、湯上りの夕涼み用に木のベンチも3つ置かれています。
お庭は築山に立派な池があります。
池には立派な石の橋が掛けられており、水中には大きな鯉がたくさん泳いでいてなかなか見事です。
浴室は白を基調とした明るい浴室になっていて、外の庭側の窓も普通のガラスになっているので採光が良く明るい浴室です。
こちらもだいぶ改装されて古いものはほとんど残っておらず、奥壁には壁全体ではなく大きな額のような感じでペンキ絵が取り付けられています。
横長の浴室で奥壁側に浴槽が並んでいます。
右側からバイブラと冷却枕付き座ジェット2基の浴槽、隣が湯口のあるバイブラ浴槽です。
さらに庭側に張り出す様に浴室が延長されていて、こちらに日替わりの薬湯です。
いちばん外壁側は少しぬる湯のラジウム浴槽となっており、湯口の格子の中にあるラジウム鉱石を通って湯が注がれています。
浴室が張り出している関係でこのラジウム浴槽と薬湯の浴槽からはお庭が良く見えるようになっています。
カランは両壁側と島カラン2基で配列は外壁側から5.5.5.5.5.7となっていてすべてにシャワー付きとなっています。
男女境壁側の脱衣場寄りには立ちシャワーブースも2基あります。
上がりはフロント前の休憩スペース奥にあるテラスでお庭(男湯からの続き)を眺めながら缶ビールで一杯なんていうのも楽しめます。
タカラ湯
東京都足立区千住元町27-1
営業時間 15:00~24:00
定休日 金曜日
タカラ湯を出て元来た方向へ少し戻ります。
ここでも正面路地の先に東京スカイツリーが望めます。
来た道を次の角まで戻り、商店街を左へしばらく行くと右手の少し奥にあるのが「金の湯」。
以前は手前にも建物が建っていて全容は見えませんでしたが今は手前がコインパーキングになり、建物の2/3は見ることが出来ます。
昭和中期的銭湯ですが入口付近はフロント式に改装されています。
金の湯
東京都足立区千住柳町36-8
営業時間 15:00~24:00
定休日 火曜日
金の湯の横の路地を南へ。
しばらく行って突きあたりを左に行き、信号のある交差点を右に行くと勝楽堂という病院の横に建つのが「ニコニコ湯」。
通りに面した入口部分はフロント化改装で大きく変更していますが背後には千鳥破風屋根の脱衣所棟と二段湯気抜き天井の浴室という昔ながらの東京銭湯です。
入口上のファッサードには色とりどりの楽しげな文字で「湯あそびひろば・ニコニコ湯」と書かれています。
ニコニコ湯
東京都足立区千住柳町2-10
営業時間 15:00~25:00
定休日 木曜日
北側に元来た交差点まで戻り、右折して国道4号線方向へ。
しばらく歩くと左手に大きな寺社建築様式の立派な銭湯があります。
ここが北千住銭湯巡礼の最終銭湯「大黒湯」です。
千鳥破風屋根に木連格子の壮大な破風屋根、その下に元々の入口であった個所に掛かる千鳥破風と唐破風の二重屋根。
軒下には鳳凰の懸魚が下がり、蛙股には屋号に因んだ大黒様の彫刻があります。
左右の外壁の瓦屋根にもそれぞれ大黒天と恵比寿天があります。
何しろ外観が驚くほど立派、さすが「キング・オブ・銭湯」と呼ばれるだけあります。
暖簾の掛かる入口は正面の向かって右手にあります。
屋号入りの暖簾をくぐり下足スペースへ入ると広いスペースの靴脱ぎに下足箱がL字型に設置されています。
中に入るとフロントとかなり広い休憩スペースがあり、建物左手の休憩室の外には昔は女湯側の庭だったと思われる坪庭があり、池には鯉が泳いでいます。
フロント料金を支払い、右側の男湯に入ります。
高い脱衣場の天井は折り上げ付き格天井になっていて経年変化で構図は薄れていますが104枚の鏡板ごとに描かれた花鳥図の絵が見事。
ロッカーは壁側の造り付けとなっており、木の床が磨き上げられていて気持ちいいです。
さて浴室。
高い天井は二段の関東型になっています。
入口脇には桶と椅子が積まれています。
奥壁にペンキ絵、早川師の「南伊豆」海越しに見る富士山の構図になっていて作者のサインと平成19年4月16日の日付が書き込まれています。
男女境壁にも横にいっぱいの長さの大作のタイル絵「木曽路画」があります。
奥壁側下は奥壁から外壁側にL字に曲がった深浅2槽の主浴槽、右側2/3が浅浴槽で奥壁角に石の積まれた上の湯口からお湯が注がれています。
左手1/3が深浴槽、右手手前には水風呂の浴槽があり、水は冷却されているようで17度前後となっていました。
水風呂の正面、浴室の脱衣場側には脱衣場に張り出した造りでサウナ室が設置されています。
カランは両壁側と島カラン2基。
外壁側外には露天浴槽があり、その前にもカランがあります。
露天には屋根が掛けられていて結構広い浴槽に熱めの湯が注がれていました。
ここの縁に腰掛けて窓越に中を見るペンキ絵がちょうど見えて、外から中の富士を望む普通と逆の光景が見えてちょっと面白い。
ゆったりと湯につかって北千住最後の銭湯を満喫します。
相客は常に多く、次々にやって来てどんどん入れ替わります。
キングオブ銭湯と言われる同湯ですが、しっかり地元現役系で賑わっておりました。
大黒湯
東京都足立区千住寿町32-6
営業時間 15:00~24:00
定休日 月曜日
最後は暗くなってしまいましたがなんとか全ての銭湯を巡る事ができました。
2回に分けてご紹介しました北千住銭湯巡礼ですが、今回はこれにて結願といたします。
後は精進落としと参りますがそれはまた別の話・・・・・・・・・(笑)
また、前回同様全てに入ることはさすがに出来ませんので全てを歩いて外観は撮影し、その中にある銭湯の内の3軒に入浴して来ました。
前述のとおり街中の古い和風のビジネス旅館に宿泊。
ここがまたいい感じの宿で中庭に池があったりする昔ながらの旅館、昔風に云うと商人宿という感じでしょうか。
朝から街歩きをします。
というのも銭湯のオープンは概ね15時から。
それまでは街中の古い建物などを巡ります。
今回も写真が多くて銭湯以外をご紹介出来ないのが残念です。
まずは千住の宿場町通りを北のはずれの方に行くと旧水戸街道と日光街道の分岐点の手前に「槍かけだんご・かどや」という団子屋があります。
ここは水戸藩士が江戸~水戸の往来に通行中、槍を立て掛けて休んだ松の木の名前に由来する店で有名なのですが、今回用があるのはこの建物の裏手。
ここに先日廃業してしまった銭湯「梅の湯」の建物がそのまま残っています(東口の梅の湯と屋号は同じですが別の銭湯です)。
レトロで趣きある銭湯として評判の良かった梅の湯ですが今年(2011年)2月に廃業してしまいました。
閉店していますから敷地には入れないので外からみると建物はまだあります。
というか建物はそのままで足場が組まれていて、よく見ると脱衣場棟の瓦屋根を板金ものの鉄板葺き屋根に直しているようです。
脇の通りにまわると浴室棟もそのまま屋根が葺き替えられている。
もしかしてこのまま他の用途に転用されるのか?
だとしたら建物がまた見られる機会もあるかもしれませんね。
さて、駅前西口まで戻り、左手から歩きます。
第1湯は「小桜湯」
墨堤通り沿いに建つビル銭湯です。
暖簾の掛かる男女入口がそれぞれ建物の端と端にあり階段を登って番台に行く造りになっています。
小桜湯
東京都足立区千住仲町27-13
営業時間 15:00~24:00
定休日 第2,4月曜(祝日は翌日休)
さて次は墨堤通りを西へ。
水戸街道でひとつ北の千住警察署交差点まで行って左へ入るとすぐ左手にあるのが「旭湯」。
瓦屋根の昔ながらの銭湯でフロント式。
モザイクタイル絵が奥壁にあります。
旭湯
東京都足立区千住宮元町13-10
営業時間 14:30~23:00
定休日 土曜日
旭湯の前の通りをしばらく北上、千住青葉中学校の交叉点を左へ行くと再び墨堤通りへ。
出た所で少し左手の向かいを見るとあるのが「緑湯」です。
唐破風に千鳥破風の瓦屋根が重なるレトロな東京銭湯。
同湯の横は学校のグラウンドになっているので横からもその建物を見ることができます。
軒に波型の懸魚の掛かる入口、暖簾をくぐって入ると突きあたりは大きな傘ロッカー。
右手が男湯入口となります。
中は番台式。
脱衣場は高い折上げ付きの格天井、ロッカーは島ロッカーと外壁側。
少々暑い日にて脱衣場と浴室間の扉は開け放たれていて解放感があります。
浴室はこれがまたレトロ。
奥壁には男女浴室に跨って富士山のペンキ絵。
その下には金魚の図柄のタイル絵、男女境壁にも洋風の山と湖などの風景タイル絵があります。
浴槽は3つに分かれており、男女境壁側から小さい薬湯、釜室への通路を挟んで深い浴槽、浅い浴槽と並んでいます。
カランは両壁側と島カラン1基、8.5.5.8の配列となっています。
この浴室の床のタイルは小石状タイル、所々に貝殻や蟹などの模様タイルが取り入れられています。
全体的に昔からのタイルがそのまま残されているのがとても良い風合いとなっています。
内外とも古いまま残されているレトロ銭湯でした。
緑湯
東京都足立区千住宮緑町3-28-1
営業時間 15:00~23:00
定休日 不定休
さて、緑湯を出て元来た道を千住青葉中学校の交叉点まで戻ります。
少し右手に行くと変則5差路の交叉点があります。
ここを北へ向かう狭めの路地へ入り、ひたすら北に向かいます。
もう少しで荒川というところまで来ると突きあたりになり、正面に立派な銭湯が建っています。
ここが「タカラ湯」。
千鳥破風屋根が二段に重なるレトロ銭湯。
昭和2年創業、現在の建物は昭和13年築という。
入口の軒には飛翔する鶴を模った懸魚が下がっている。
その下には屋号に因んだ宝船の彫刻があり素晴らしい(トップ写真参照)。
暖簾をくぐると中は近年に改装されてフロント化されており、その前には広い休憩スペースが確保されています。
フロントを挟んで左手が男湯入口。
中は全体的に新しく改装されていてあまりレトロ感はありません。
脱衣場に入ると木目建材で化粧直しされた格天井。
ロッカーはフロア中央の島ロッカーと入口側造り付けのロッカー、脱衣カゴも積まれています。
左手は縁側にでるガラス戸になっていて、縁側の外は浴室側に廻り込むようにして見事なお庭があります。
こちらの銭湯の最大の見どころはなんといってもこのお庭でしょう。
写真だけ見ると、とても銭湯のお庭には見えない立派な庭園、さすが「キング・オブ・縁側」とか「キング・オブ・庭園」といわれるタカラ湯です。
脱衣場外側にL字型に付けられた縁側は磨きこまれた木の感触が湯上りの足裏に心地よいです。
木製の欄干が設けられていて、湯上りの夕涼み用に木のベンチも3つ置かれています。
お庭は築山に立派な池があります。
池には立派な石の橋が掛けられており、水中には大きな鯉がたくさん泳いでいてなかなか見事です。
浴室は白を基調とした明るい浴室になっていて、外の庭側の窓も普通のガラスになっているので採光が良く明るい浴室です。
こちらもだいぶ改装されて古いものはほとんど残っておらず、奥壁には壁全体ではなく大きな額のような感じでペンキ絵が取り付けられています。
横長の浴室で奥壁側に浴槽が並んでいます。
右側からバイブラと冷却枕付き座ジェット2基の浴槽、隣が湯口のあるバイブラ浴槽です。
さらに庭側に張り出す様に浴室が延長されていて、こちらに日替わりの薬湯です。
いちばん外壁側は少しぬる湯のラジウム浴槽となっており、湯口の格子の中にあるラジウム鉱石を通って湯が注がれています。
浴室が張り出している関係でこのラジウム浴槽と薬湯の浴槽からはお庭が良く見えるようになっています。
カランは両壁側と島カラン2基で配列は外壁側から5.5.5.5.5.7となっていてすべてにシャワー付きとなっています。
男女境壁側の脱衣場寄りには立ちシャワーブースも2基あります。
上がりはフロント前の休憩スペース奥にあるテラスでお庭(男湯からの続き)を眺めながら缶ビールで一杯なんていうのも楽しめます。
タカラ湯
東京都足立区千住元町27-1
営業時間 15:00~24:00
定休日 金曜日
タカラ湯を出て元来た方向へ少し戻ります。
ここでも正面路地の先に東京スカイツリーが望めます。
来た道を次の角まで戻り、商店街を左へしばらく行くと右手の少し奥にあるのが「金の湯」。
以前は手前にも建物が建っていて全容は見えませんでしたが今は手前がコインパーキングになり、建物の2/3は見ることが出来ます。
昭和中期的銭湯ですが入口付近はフロント式に改装されています。
金の湯
東京都足立区千住柳町36-8
営業時間 15:00~24:00
定休日 火曜日
金の湯の横の路地を南へ。
しばらく行って突きあたりを左に行き、信号のある交差点を右に行くと勝楽堂という病院の横に建つのが「ニコニコ湯」。
通りに面した入口部分はフロント化改装で大きく変更していますが背後には千鳥破風屋根の脱衣所棟と二段湯気抜き天井の浴室という昔ながらの東京銭湯です。
入口上のファッサードには色とりどりの楽しげな文字で「湯あそびひろば・ニコニコ湯」と書かれています。
ニコニコ湯
東京都足立区千住柳町2-10
営業時間 15:00~25:00
定休日 木曜日
北側に元来た交差点まで戻り、右折して国道4号線方向へ。
しばらく歩くと左手に大きな寺社建築様式の立派な銭湯があります。
ここが北千住銭湯巡礼の最終銭湯「大黒湯」です。
千鳥破風屋根に木連格子の壮大な破風屋根、その下に元々の入口であった個所に掛かる千鳥破風と唐破風の二重屋根。
軒下には鳳凰の懸魚が下がり、蛙股には屋号に因んだ大黒様の彫刻があります。
左右の外壁の瓦屋根にもそれぞれ大黒天と恵比寿天があります。
何しろ外観が驚くほど立派、さすが「キング・オブ・銭湯」と呼ばれるだけあります。
暖簾の掛かる入口は正面の向かって右手にあります。
屋号入りの暖簾をくぐり下足スペースへ入ると広いスペースの靴脱ぎに下足箱がL字型に設置されています。
中に入るとフロントとかなり広い休憩スペースがあり、建物左手の休憩室の外には昔は女湯側の庭だったと思われる坪庭があり、池には鯉が泳いでいます。
フロント料金を支払い、右側の男湯に入ります。
高い脱衣場の天井は折り上げ付き格天井になっていて経年変化で構図は薄れていますが104枚の鏡板ごとに描かれた花鳥図の絵が見事。
ロッカーは壁側の造り付けとなっており、木の床が磨き上げられていて気持ちいいです。
さて浴室。
高い天井は二段の関東型になっています。
入口脇には桶と椅子が積まれています。
奥壁にペンキ絵、早川師の「南伊豆」海越しに見る富士山の構図になっていて作者のサインと平成19年4月16日の日付が書き込まれています。
男女境壁にも横にいっぱいの長さの大作のタイル絵「木曽路画」があります。
奥壁側下は奥壁から外壁側にL字に曲がった深浅2槽の主浴槽、右側2/3が浅浴槽で奥壁角に石の積まれた上の湯口からお湯が注がれています。
左手1/3が深浴槽、右手手前には水風呂の浴槽があり、水は冷却されているようで17度前後となっていました。
水風呂の正面、浴室の脱衣場側には脱衣場に張り出した造りでサウナ室が設置されています。
カランは両壁側と島カラン2基。
外壁側外には露天浴槽があり、その前にもカランがあります。
露天には屋根が掛けられていて結構広い浴槽に熱めの湯が注がれていました。
ここの縁に腰掛けて窓越に中を見るペンキ絵がちょうど見えて、外から中の富士を望む普通と逆の光景が見えてちょっと面白い。
ゆったりと湯につかって北千住最後の銭湯を満喫します。
相客は常に多く、次々にやって来てどんどん入れ替わります。
キングオブ銭湯と言われる同湯ですが、しっかり地元現役系で賑わっておりました。
大黒湯
東京都足立区千住寿町32-6
営業時間 15:00~24:00
定休日 月曜日
最後は暗くなってしまいましたがなんとか全ての銭湯を巡る事ができました。
2回に分けてご紹介しました北千住銭湯巡礼ですが、今回はこれにて結願といたします。
後は精進落としと参りますがそれはまた別の話・・・・・・・・・(笑)
- まぁやぁ
- 銭湯と路地裏散歩な日々
- 銭湯wiki
- 1960年、東京生まれ埼玉育ち。現在は神奈川県藤沢市に在住。小さい頃は風呂屋のペンキ絵が描きかえられるのを心待ちにしていた子供でした。
現在は路地裏散歩と居酒屋徘徊を趣味としており、産業遺産ならぬ生活遺産に興味を抱き銭湯や古建物などを見て巡っております。
座右の銘は遠い温泉より近くの銭湯、かな。