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「井戸が趣味ってなに?」とよく言われるのでちょっと説明しようかと…

宝探し


 音楽鑑賞とか、映画を見ること。スポーツが趣味ですってな感じだったら説明不要ですが「井戸が趣味」なんて聞いたら「なにそれ?」って言いたくなりますよね。
そりゃそうです。自分の周りにも井戸が趣味な人は居ませんから。恐らくこれからも私に出会った人は「井戸が趣味ってなに?」って聞くのでしょう。
「みちくさ学会」で私が説明する事によって、井戸趣味がメジャーになり「なにそれ?」って聞いてくる人がいなくなるかも!というか、「井戸が趣味なんてステキ!」なんて状況に…!
…という淡い期待を抱きながら説明させていただきマス。


(1)井戸を見つけること自体が楽しい。(宝探しみたいな感じ)
(2)井戸の周りの風景から「人々の暮らし」を勝手に想像して情緒を感じられる。
(3)井戸に色々な形があってびっくり。
(4)たまに、お化けが出そうな雰囲気の井戸があって怖い。マジで怖い。
   他にもあるかもしれないけど、基本的には上の4つの要素かなと思います。


 まずは、(1)の見つけること自体の楽しみから。
ネットに掲載されている写真を手がかりに推理して現地に向かったり、人に話しかけて井戸を尋ねたり、怪しまれたり。地図を見て井戸が残されていそうな場所を見つけて訪問したり、番犬に吼えられたりして井戸を見つける。そんなところが実に宝探しです。熟練度があがって、次第に井戸を見つけやすくなるのもRPG的でドラクエ世代の私にはとても魅力的です。なかなか仲間が増えないので、この冒険は『I』なのかもしれませんが。
後は、飲める井戸が多いと別の楽しみも増えるのですがめったに有りません。


 基本的に、薄暗い路地裏に潜んでいるのが井戸ポンプ。
なので、井戸探しは角を見つけたら曲がり、路地を見つけたら入り込み、どんどん薄暗い方に向かって入り込んで行き、苔の匂いを嗅ぎ、湿度を肌で感じながらいくのです。

皆さんも、下の写真のような場所を見つけたらヨダレがでてきますよね(ジュル)
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ここです!こんな場所の奥に井戸ポンプがひっそりと残っている事が多いのです!
事実、この場所の奥には井戸ポンプがありました。昨年、手前の民家ごと取り壊されたみたいですが…

具体的にどんな感じの場所に井戸が多いかを、下の地図で説明します。

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上が、井戸ポンプがありそうな地図。
道が入り組んでおり、ナナメに走っている道。細くなったり太くなったり、屈折してみたり…つまり、区画整理されてない場所。家の前には様々な植栽があり、季節ごとに花をつけて路地裏の旅人を祝福してくれる。人が主役の素晴らしい道。



下は、井戸ポンプがなさそう(怒)な地図。
定規で引いたような無機質な道。歩いてみると分かるが、道の上には不気味な白い線が引かれ、人は車に慄きながら、端を歩かなくてはならない、しかも、その車まで進行方向を指定されている。ああ、なんと言うことか!まさに道が人を支配しようとしている!!!!



皆さんも、井戸探しの際には嗅覚や第六感以外にも google map とかを使うといいかもしれません。

かと思いきや、予想に反して大通りに面した場所にもどーんと井戸ポンプが居座っている場合もあります。(下写真)
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こういう風に、予想を裏切られるのも井戸探しの魅力の一つです。
「ありそうな場所に、無く。なさそうな場所に、在る」
これですな。

あ、そういえば。

路地裏って特殊な場所じゃありません。何処にでもありますよ。
東京でも駅前から少し離れると大通りの二本位裏に入ると、そこは一気に路地裏です。そこでは、まるで一歩毎に1年くらいタイムスリップしていくかのような、なんとも言えない不思議な感覚に襲われるので是非皆さんも体験してみてください。
井戸以外にも面白いものが沢山みつかりますよ。古い牛乳箱とか、ヌシみたいな猫とかね。

トップの写真(千駄ヶ谷) 中段(神田淡路町) 下段(新宿内藤町)