えらく感情的なタイトルで始めてしまいましたがエスカレーターの話です。すみません。
長くエスカレーターを追っていると、たいていのエスカレーターもだいたいは一瞥して脳内で分類されるようになります。「これは三菱の新しいタイプだなぁ」「これは日立のレトロタイプ」「これは東芝の中間世代」というふうに。
そんなときに、まだ一度も見たことがないタイプのものに出くわすと、「新種発見!!」と学者きどりで興奮してしまいます(ずっとそこにあったので、べつに新種ではないのですが、虫や魚の新種を発見するときも同じですよね)。
そしてこのサイトはそういう発見を学者きどりで報告するサイトではなかったか(タイトルが学会だし)ということに気がついたので、最近発見した新種エスカレーターたちをご紹介しようと思います。


これは福岡空港駅で発見した、フジテックの新種。乗り口の青いライトがいままでみたことないタイプです。


そして福岡の地下鉄には、こういう菱形タイプのものが多数生息していました。これの生息地はいまのところ九州のみと推測されます。


そして、おもに中国に生息するといわれていた、真ん中ライン入りタイプのエスカレーターも九州で確認!これは要するに、「片側空けて立ってね」というメッセージなので、これが安全を重視する日本国内にも存在していたとは、けっこうエスカレーター学会的にはビッグニュースです。しかも、王道の三菱電機謹製。


「福岡はアジアの違う国の首都なんじゃないか説」を唱えたくなる証拠がもうひとつ。シンドラー製ですが、こちらまさかの紅いシンドラーです。しかも床板の模様もシンドラー共通の正方形タイプとちがって、シンプルな水平線。大量生産コスト重視の典型的グローバル企業とみられていたシンドラーからの、まさかのスペシャルカスタマイズ版、シャア専用シンドラーです。


最後に、これは大阪で、ちょっとレトロタイプのエスカレーター。エスカレーターは、ガラスの「全照明タイプ」「部分透明タイプ」「全透明タイプ」を経て、コスト削減のパネルタイプ、さらにスチールタイプ、スチール薄型タイプへと進化したというのが通説だったのですが、パネルタイプに照明ありバージョンが存在していたとは。亜種発見!

ええ、ここまで説明していてひしひしと読者の皆さんの「わかんねー!」という視線を感じましたが、「ふふ、おまえの良さは、おれだけがわかっているんだぜ…」という気持ちの悪いフェティッシュがいっそう強まるのであります。





  • 田村美葉「東京エスカレーター」管理人

  • 東京エスカレーターMANIAX

  • 1984年うまれ、石川県出身。大学入学を機に上京。以来、主にエスカレーターに乗って浮かれたり、かっこいい橋脚を追って延々と高架下を歩いたりしている。高架橋脚ファンクラブ会長。