
2月15日、『鍾馗さんを探せ 京都の屋根のちいさな守り神』発売です。
淡交社さんから「本にしませんか?」とのオファーがあったのが、昨年の四月。
おせっかいながら、ニッチ過ぎるテーマが採算ベースに乗るの?という疑問はありましたが
私としては断る理由がありません。
京都の鍾馗の魅力を紹介し、一風かわった町歩きの楽しみ方を提案するというコンセプトの企画に
全面協力することになりました。
鍾馗をテーマにした書籍はこれまでわが師匠、服部正実さんが1996年に上梓した写真集「洛中洛外の鍾馗」が唯一のもの。世界初のガスタンク渡邉さんにはかないませんが、15年ぶりの快挙です。
紹介する鍾馗さんは百七十体余り。京都には私が記録しただけで二千体以上の鍾馗さんがいるため、地域バランスを考えながらのセレクト作業はそれほど苦労せず、鍾馗さんの写真も一部のピンボケを撮り直しに行った以外は既存のストックで対応できました。
京都を十五程にエリア分けして、次は地図と原稿の作成です。
地図と写真はこの本の二本柱。ブログであればGoogleMapでも組み込めば一丁あがりですが、書籍ではそうもいかず、すべての地図をデザイナーさんに手作り風に作成してもらうことになりました。軽快で暖かみのある、お出かけしたくなる地図になったのではないかと思います。

鍾馗さんの歴史、鍾馗探索のイロハなどはこれまでブログ等でも書いてきた内容なので、それほど苦労せずに書き上げることができましたが、苦しんだのがエリア紹介。
数えてみると鍾馗を探しに既に五十回くらい京都を訪れているのですが、一般の方が散策を楽しむように史跡でみちくさすることもありませんし、点在する老舗やおしゃれなカフェも基本素通り。
頭の中はMy京都詳細地図が大体できあがっているのですが、記載内容は道路の通り名とランドマーク、鍾馗さんだけ(笑)
実は京都のことをよく知らないのです。
ごまんとある京都ガイドの向こうを張って今さらお店紹介というわけにもいかないので、参考書やWWWの力も借りて町並みの歴史的変遷を中心に組み立てることにしましたが、付け焼刃感は否めないかもです。
また、すべての鍾馗さんに「ひとこと紹介」をつけましたがこれも大変でした。
二十文字程度でそれぞれの特徴をびしっと表現するのは至難の業で、百七十体のうち、これは決まったと思ったのは十体にも満たないでしょう。コピーライターには絶対向いてないな。
七月から十月にかけて、平日の夜と休日はほとんど原稿書きに費やされました。
鍾馗探索にもほとんど出かけず家に籠城です。探索には向かない暑い時季だったのでよかったですが、季節が違ったら欲求不満で病気になっていたかもしれません。
百七十体の鍾馗さんの現存を確認することと、持ち主のお名前などを確認し、のちに掲載許可をいただくことが目的です。
もちろん、全体構成の企画、コラム執筆者への依頼、他の掲載画像の掲載許諾、挿入するイラストや写真の手配等々、いわゆる普通の編集の仕事も並行してこなしながらのことで、これは私も予想外でした。
鍾馗さんを探す人のためのガイドブックという体裁をとるので、出版時点で現存しない鍾馗さんを載せる訳にはいかないのと、WWWと違って後でトラブルになっては大変なので、どちらも必要なことには違いないのですが、府内各地に散在する鍾馗さんを短期間ですべて回るというのは、初めて聞いたときにはホンマかいなと思いました。
大変です~と言いながら、それでも現存確認はわずか一か月程度、掲載許諾は相手のご都合もあるのでかなり手こずられたようですがやり遂げてしまいました。これこそプロの仕事、素人に真似のできることではないと感服しました。
なかにはどうしても許可いただけないお宅もあって、そのたびに写真から地図から差し替えで、さぞやバタバタされていたことと思います。
当たり前ですが、一冊の本を出すというのは大変ですね。
いろんな方のお力をいただいて、ようやくここにたどりついたと実感しています。

京都中心部のマップ。太い線は歩いた軌跡です。まぁ、確かによく歩きましたが
こうして見ると、まだまだ歩いていないところはたくさんある。
二年後、五年後、この地図がどれくらい埋まっているでしょう?
今回の本では京都の鍾馗さんを紹介しました。
鍾馗カテゴリーをご覧いただいている方なら、それ以外の各府県にも魅力的な鍾馗さんがあることをご存知ですよね。
いずれはそれらも本にまとめていきたいと思っています。
淡交社 発行
ISBN 978-4-473-03789-3
本に名前がでてしまいましたので、今後は「Kite」改め「小沢正樹」でよろしくお願いします。

おせっかいながら、ニッチ過ぎるテーマが採算ベースに乗るの?という疑問はありましたが
私としては断る理由がありません。
京都の鍾馗の魅力を紹介し、一風かわった町歩きの楽しみ方を提案するというコンセプトの企画に
全面協力することになりました。
鍾馗をテーマにした書籍はこれまでわが師匠、服部正実さんが1996年に上梓した写真集「洛中洛外の鍾馗」が唯一のもの。世界初のガスタンク渡邉さんにはかないませんが、15年ぶりの快挙です。
初体験の「執筆」
七月初に出版が正式決定し、企画案に沿った鍾馗さんの選定から作業を始めました。紹介する鍾馗さんは百七十体余り。京都には私が記録しただけで二千体以上の鍾馗さんがいるため、地域バランスを考えながらのセレクト作業はそれほど苦労せず、鍾馗さんの写真も一部のピンボケを撮り直しに行った以外は既存のストックで対応できました。
京都を十五程にエリア分けして、次は地図と原稿の作成です。
地図と写真はこの本の二本柱。ブログであればGoogleMapでも組み込めば一丁あがりですが、書籍ではそうもいかず、すべての地図をデザイナーさんに手作り風に作成してもらうことになりました。軽快で暖かみのある、お出かけしたくなる地図になったのではないかと思います。

鍾馗さんの歴史、鍾馗探索のイロハなどはこれまでブログ等でも書いてきた内容なので、それほど苦労せずに書き上げることができましたが、苦しんだのがエリア紹介。
数えてみると鍾馗を探しに既に五十回くらい京都を訪れているのですが、一般の方が散策を楽しむように史跡でみちくさすることもありませんし、点在する老舗やおしゃれなカフェも基本素通り。
頭の中はMy京都詳細地図が大体できあがっているのですが、記載内容は道路の通り名とランドマーク、鍾馗さんだけ(笑)
実は京都のことをよく知らないのです。
ごまんとある京都ガイドの向こうを張って今さらお店紹介というわけにもいかないので、参考書やWWWの力も借りて町並みの歴史的変遷を中心に組み立てることにしましたが、付け焼刃感は否めないかもです。
また、すべての鍾馗さんに「ひとこと紹介」をつけましたがこれも大変でした。
二十文字程度でそれぞれの特徴をびしっと表現するのは至難の業で、百七十体のうち、これは決まったと思ったのは十体にも満たないでしょう。コピーライターには絶対向いてないな。
七月から十月にかけて、平日の夜と休日はほとんど原稿書きに費やされました。
鍾馗探索にもほとんど出かけず家に籠城です。探索には向かない暑い時季だったのでよかったですが、季節が違ったら欲求不満で病気になっていたかもしれません。
編集者は日焼けしていた
私が原稿に四苦八苦している間、淡交社編集局の担当 岩城さん(編集局 副局長という偉い方です)は何をしていたかというと、炎天下の都を自転車で走り回っていました。百七十体の鍾馗さんの現存を確認することと、持ち主のお名前などを確認し、のちに掲載許可をいただくことが目的です。
もちろん、全体構成の企画、コラム執筆者への依頼、他の掲載画像の掲載許諾、挿入するイラストや写真の手配等々、いわゆる普通の編集の仕事も並行してこなしながらのことで、これは私も予想外でした。
鍾馗さんを探す人のためのガイドブックという体裁をとるので、出版時点で現存しない鍾馗さんを載せる訳にはいかないのと、WWWと違って後でトラブルになっては大変なので、どちらも必要なことには違いないのですが、府内各地に散在する鍾馗さんを短期間ですべて回るというのは、初めて聞いたときにはホンマかいなと思いました。
大変です~と言いながら、それでも現存確認はわずか一か月程度、掲載許諾は相手のご都合もあるのでかなり手こずられたようですがやり遂げてしまいました。これこそプロの仕事、素人に真似のできることではないと感服しました。
なかにはどうしても許可いただけないお宅もあって、そのたびに写真から地図から差し替えで、さぞやバタバタされていたことと思います。
当たり前ですが、一冊の本を出すというのは大変ですね。
いろんな方のお力をいただいて、ようやくここにたどりついたと実感しています。
To Be Continued ・・・

京都中心部のマップ。太い線は歩いた軌跡です。まぁ、確かによく歩きましたが
こうして見ると、まだまだ歩いていないところはたくさんある。
二年後、五年後、この地図がどれくらい埋まっているでしょう?
今回の本では京都の鍾馗さんを紹介しました。
鍾馗カテゴリーをご覧いただいている方なら、それ以外の各府県にも魅力的な鍾馗さんがあることをご存知ですよね。
いずれはそれらも本にまとめていきたいと思っています。
- 鍾馗さんを探せ!!: 京都の屋根のちいさな守り神
- 価格: ¥ 1,470
- 発売日: 2012/02/10
- 売上ランキング: 438925
ISBN 978-4-473-03789-3
本に名前がでてしまいましたので、今後は「Kite」改め「小沢正樹」でよろしくお願いします。

- Kite 改め 小沢正樹
- 鍾馗を尋ねて三千里
- 鍾馗博物館
- 愛知県在住の会社員、1961年生まれ。
週末のたびに関西方面へ遠征し、民家にひそむ鍾馗さんに望遠レンズを向けてます。
不審尋問には笑顔とポケット版鍾馗ファイルで対抗するも、追い払われることもしば
しば。