今回は東海地方の県庁所在地、静岡市の街を歩いて銭湯を巡って来ました。
静岡市は横に長い静岡県のほぼ真ん中。
県庁所在地としてかなり大きな街でありますが、登呂遺跡や駿府城址などもあり、歴史のある街でもあります。
現在でも呉服町、紺屋町、大工町などの古い町名がそのまま使われているところも多く残っています。
駿府城址に近い静岡市庁舎も立派な建物。
塔屋の付いた洒落た建物は1934年建築で国の登録有形文化財に指定されています。
002静岡市庁舎向かいに建つ静岡県庁舎も旧九段会館のような瓦屋根を載せた帝冠様式の重厚な建築物でやはり登録文化財に指定されています。

静岡市は地方都市としての文化特色も色々あり、その活気ある街並みの中を歩くのが楽しい街でもあります。
街中を歩くと横断歩道のチャイムも「ふじの歌」。
静岡市といえば「静岡おでん」や「プラモデル」思い出す方々も多いと思います。

街を歩くとさっそくみちくさネタ。
003静岡マンホール
カラーマンホール蓋。
上は消火栓2種、下は市の花「たちあおい」図柄の色違い2種。
上の丸い消火栓蓋は家康公駿府城入城四百年祭の記念カラーマンホール蓋。
下の市の花の物は右手のグリーンの物が中央の市章が平成15年に制定された図柄なので比較的新しい物なのかもしれません。

さて、そろそろ銭湯。
まずは浅間神社の東側、長谷通りにある「天神湯」
004天神湯ちょっと凝った洋風看板建築の正面中央には縦書きの「天神湯」の屋号が掲げられていて、球形ガラスの照明も取り付けられています。
入口には男湯女湯の暖簾が並んで掛けられていて、この奥に男女別入口のガラス戸があります。
中に入ると番台式。
狭い下足スペースで靴を脱ぎ、番台に料金を支払い中へ入ります。
中も昔ながらのお風呂屋さんという感じで結構レトロ。
浴室は奥壁側に深浅2槽。
天井は中央に湯気抜きのある造りで濃い紺色に塗られています。
カラン列は両壁側とともに島カランも1列、古いタイプのカランが印象的でした。
また、男女境壁の上部は擦りガラスを嵌めた物で特徴的(採光のためなのか?地方銭湯ではたまに見かける造りですが)。
全体的に関東タイプの銭湯を踏襲した地方銭湯サイズのこぢんまりとした空間が魅力です。

天神湯 静岡市葵区浅間町1-29
営業時間 15時~23時 定休日は月曜日


次に訪れたのは「天狗湯」
006天狗湯ここは残念ながらシャッターが閉まっていて定休日のようでした(実は滞在中の金曜日夜にも訪れてみたのですが時間が遅かったのか、シャッターが半開きの状態で暖簾が巻かれた物が中に立て掛けられていて照明も消されていました)。
ということで、残念ながら営業の詳細はわかりませんでした。

天狗湯 静岡市葵区本通7-2-1
営業時間 不明 定休日 日曜日


天狗湯から少し東に歩くと駒形通りという昔からの商店街の通りに出ます。
ここにあるのが次の銭湯、「桜湯」です。
005桜湯昼

桜湯はビル銭湯ですが、中は番台形式の昔ながらの銭湯です。
入口には牛乳石鹸の富士山の暖簾、その上には屋号の行灯看板が灯っています。
中に入ると正面にレトロな傘立て、右手が男湯の入口になります。
中に入って番台で料金を支払い脱衣場へ。
地方銭湯としてはわりに広めで明るい脱衣場。
日曜の夜、番台の店主は壁のテレビで笑点を見て笑っている。
客も同じ番組に惹きこまれて笑っている、いかにも休日の夜ののんびりとした良い雰囲気。

浴室は奥壁に深浅の2浴槽が並んでいます。
右手が深いバイブラの泡風呂、左がジェット付きになっています。
カラン列は両壁側と島カラン1基。
浴室には相客が4人、地元の常連客が世間話に興じていました。
聞くと静岡は平らな土地柄、移動手段として自転車が多く利用されているので雨が降ると銭湯へ来る客は激減するのだとか。
銭湯の経営も予想以上に天気に左右されるようであります。
上がりに脱衣場でドリンクの冷蔵庫を見ると瓶入りのガラナドリンクが。
銭湯で見かけるのは珍しい。
外に出ると春にしては冷たい雨が降り続いている静岡の夕方でした。

桜湯 静岡市葵区駒形通3-2-1
営業時間 14時~24時30分 定休日 火曜日


静岡市には最盛期には35軒もの銭湯があったということですが、どんどん減ってしまい現在は3軒を残すのみ。
皆さんも静岡に訪れる際にはいずれかの銭湯を利用して、地方銭湯の趣きを体験して見てはいかがでしょうか?
ビジネスホテルの狭いユニットバスよりも旅の疲れがとれて良いと思いますよ。

さて、静岡市の銭湯も全て廻ったし、次なる静岡の魅力を求めて街をゆくのでありました。
007おでん街





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  • 銭湯wiki

  • 1960年、東京生まれ埼玉育ち。現在は神奈川県藤沢市に在住。小さい頃は風呂屋のペンキ絵が描きかえられるのを心待ちにしていた子供でした。

  • 現在は路地裏散歩と居酒屋徘徊を趣味としており、産業遺産ならぬ生活遺産に興味を抱き銭湯や古建物などを見て巡っております。

  • 座右の銘は遠い温泉より近くの銭湯、かな。