JRが展開するデスティネーションキャンペーンというものをご存知でしょうか。日本各地の自治体とJR各社が展開する大型の刊行キャンペーンです。
 ちなみに6月末まではいわてデスティネーションキャンペーンが開催中です。「イーハトーブいわて物語」というキャッチコピーで、岩手県の各所を紹介しています。

 キャンペーンは間もなく終了するのですが、ここからが本番。みちくさ学会トマソンカテゴリとしては、7月からは


「いわてトマソンデスティネーション」


を提唱したい。期間はずっと、でだ。


 
 何が言いたいのかと言うと、


「岩手県はトマソンの宝庫」


という事です。みちくさ目線で岩手を歩けば、そこはまるで宮沢賢治のイーハトーブのような、不思議な世界が目白押しなのです。 



 ではみちくさ学会でしかご紹介できないであろう、岩手トマソンデスティネーション、早速ご紹介します。観光キャンペーンだから大盤振る舞いで地図もつけました。この記事片手に岩手を歩けばトマソンだらけの旅が出来ますよ。GPSロガーとカメラとの連携が悪くて物件と地図上の位置が微妙にずれていますが、必ず近辺にありますので「ああこれがトマソンクオリティか」と割り切ってもらえると有難いです。というかすいません、精密じゃなくて・・・。



※以下は2011年7月時点での情報です。現在ない物件があるかもしれません。ご了承の上お楽しみ下さい。



 昨年の夏、岩手県へ旅してきました。


より大きな地図で いわてトマソンデスティネーション を表示
(写真はPicasaウェブアルバムへとリンクされております)

 
 盛岡に降り立ってから宮古の方まで足を伸ばしてきましたが、とにかくトマソンが多かったです。盛岡在住の友人に案内してもらったのですが、ここまで多いとは思って無かったので驚きの連続でした。羨ましいです、岩手の方々。


(1)盛岡エリア


より大きな地図で いわてトマソンデスティネーション を表示

 岩手最大の町盛岡は、すなわち岩手トマソン最大の町でした。市街地の至るところにトマソン。ここにもトマソン、あそこにもトマソン。桃源郷のような場所ですよいや本当に。

 そんな盛岡からいくつか物件を取り上げます。詳しい場所は上記地図でご覧下さいませ。



場所:盛岡駅前北通付近

 駐車場の塀なのですが、よく見てみればここはかつて門だった場所。無用門トマソンがいきなりあります。いきなりすぎて普通に見えるところがトマソン的には見事です。


場所:盛岡駅前北通付近

 同じく無用門。かつて門柱だった名残が見えますので先ほどのよりは「ああ、門だったんだ」感があるのですが車が停まっているとおそらく分からないまま通り過ぎてしまっていたのではないかと思うと、「ああトマソンに呼ばれている」という感慨もひとしおです。



場所:材木町付近

 ビルの脇、少し奥まったところに高所ドアがあります。しかも複数階にわたって。結構珍しいと思います。


場所:開運橋通付近

 こちらも高所ドア。元々は鉄骨階段があったのでしょうが、ちょっと痕跡が読み取れなかったのが余計に素敵です。



場所:上田付近

 またもや高所ドア。盛岡は高所ドアトマソンの都だ、という事をもっとみんな認識しなければいけません。なんて豊作なんでしょう!!



場所:新庄町付近

 更に高所ドア。こちらの物件は車で移動中に見かけて慌てて車を駐車して鼻の穴をふがふがと広げながら撮影しました。「ああもう盛岡で仕事探そうかな」って気持ちになってました、この時点で。



場所:東中野町、茶畑交差点付近

 なんとなんとの高所ドア。一体どうした事か。何かブームがあったのでしょうか、どうなのでしょうか。



場所:八幡町付近

 ・・・これでもか、と高所ドア。いかがでしょう、そろそろ皆様も「盛岡・・・何かある・・・」と戦々恐々してきませんか?そしてこれだけ沢山の高所ドアがある町は、盛岡以外のどこにあるんだこの日本で!と思いませんか。



場所:八幡町付近

 高所ドアの嵐に呑まれかけましたが、今回最後にご紹介するのがこちらの原爆タイプトマソン。かつてあった住宅の形が屋根まで綺麗に写し取られています。高所ドアたちの後に見るとなんかちょっとホッとします。



 記事最初の写真と併せて10件のトマソンを紹介しましたが、今回の地図にはまだまだ、まだまだトマソンがあります。お時間がある方はゆっくりとご覧下さい。そして北へ、岩手へ、旅に行って下さい。一人じゃ行き辛い方、いいんですよご家族やパートナーには「冷麺とじゃじゃ麺とわんこそば食べに行かない?あ、食べっぱなしじゃアレだから散歩もしようよ」とか「びっくりドンキーの1号店行ってみない?」とか行って連れ出してしまえば。間違っても「あのさ・・・トマソンって知ってる・・・?」なんて言うのはダメです。大体において、ダメだと思います。

 次回は盛岡以外のトマソン紹介と、こんなに高所ドアが多いのは何故なのか、という事について考察していきたいと思います。




  • 川浪 祐

  • From Basshead For

  • 1975年生まれ。中学生の頃父親の書棚にあった「超芸術トマソン (ちくま文庫)」を読んでしまい、トマソン探しの人生を送るようになる。元々は音楽やフェスの話などをしていたブログも今ではすっかり路上観察一色。