地方へのちょっとした小旅行や仕事での出張などのおり、行った先々での楽しみといえばその地方独特の景色や食べ物、酒などなど、皆さんそれぞれ楽しみにしている事が色々あることと思います。
私も仕事やその他の用事でたまに出掛けるのですが、その時は時間の許す限りその地域の銭湯に入りに行くようにしています。
銭湯はその地域での生活の場の一部であり、その地方それぞれの生活風土の一端を直に体験できる場であるとともに銭湯の施設にも浴槽の違いから桶の特徴まで、その地方での細かい違いが楽しめるからです。
と、まぁおおげさな事を書いていますが、ビジネスホテルの風呂より広い風呂に入って、ついでに近くの飲み屋も楽しもうってわけなんですね(笑)
せっかく行った土地だし、もしかしたらもう二度と入る機会が無いかもしれない銭湯、一期一会だから入って行こうというわけです(実際、次の機会にと後回しにしたら無くなっちゃったというのも多々あります)。

上の写真はつい先日訪れた茨城県古河市の銭湯「古河浴場」。
古河市に残る最後の一軒の風呂屋さんです。
茨城県全体でも銭湯が残り少なく、組合自体も無くなっているので銭湯の情報が少なく、ネットで調べての訪問です。
同湯は駅から歩いて3分ほどの路地を入ってすぐにあるビル型銭湯。
入口には褪せた紺地に白い刺繍で屋号の入ったオリジナルの暖簾が掛かります。
番台式で浴槽はひょうたんを半分に割ったような形の特徴的なものでした。
夕方には次々来る地元客でにぎわう活気ある銭湯、古河では最後の1軒ですがガンバってでいました。

古河浴場 茨城県古河市東町1-11-3
営業時間 15時~22時30分 定休日は8の日





ここは福島県郡山市の銭湯「不動湯」。
先日福島の不動温泉を訪れた帰り道に同じ名前に魅かれて入って来ました。
街中の奥州街道、国道4号線をちょっと入ったところに不動湯はあります。
入口は男女左右に分かれており、その上には大きく「不動湯」と屋号が入っています。
夜間にて写真には写りませんが看板建築風の佇まいの銭湯です。
背後には地震にも持ち堪えた煉瓦の古い煙突があるという事ですが、残念ながらそれも見えませんでした。
中は地方銭湯サイズの小ぶりな造りですが基本的には関東型のレイアウト。
奥壁と男女境壁にタイル絵があります。
なかなか見どころの多いレトロ銭湯でした。
隣に駐車場もあるので旅先の身としても寄りやすい銭湯、次は明るいうちに寄りたいものです。
不動湯 福島県郡山市堤下町12-3
営業時間 14時~20時 定休日は火曜日




こちらは長野県安曇野市の「菊の湯」。
豊科の千国街道沿い、古い商店街の一画に建つ古い一軒家銭湯です。
色あせた屋号入りのオリジナル暖簾の掛かる入口を入るとレトロな空間が広がります。
この辺まで来ると銭湯の浴室もなんとなく関東型とは違う雰囲気。
旅情をかんじます。
旅の途中にちょっと風呂でも、という気分にさせてくれる良い銭湯です。

菊の湯 長野県安曇野市豊科4492-18
営業時間 15時~22時 定休日は月曜日




こちらは信州上田の街中にある銭湯「柳乃湯」。
上田は古い街並みの残るところ。
そんな中で昭和初期の建物で現在も営業を続けている。
市内を流れる矢出沢川の支流の橋の傍らに建つ銭湯です。
入口上の屋号も「湯乃柳」と右から書かれる古いもの。
そんなレトロ銭湯に入ろうと楽しみに行ってみると・・・・・・・・・・定休日でした。
やはり知らない土地で銭湯に行く時はちゃんと下調べして行かないと、っていう例でした。
特に銭湯の少ない地域では他に入れる銭湯が無かったり遠かったりで代替案が無くてアウトですから。
こちらの柳乃湯も近くに竹の湯というレトロ銭湯がありますが、なんでも営業時間2時間というハードルの高さ。
いずれ共々リベンジです。

柳乃湯 長野県上田市中央4-10-1
営業時間 15時~20時 定休日は金、土曜日





亀の湯は一関唯一の銭湯。
東北本線本の一関駅を西口に出てまっすぐ西に進み、2つめの蔵ホテル一関の角の信号を右折。
2ブロックほど進むと道沿い右手に亀の湯はあります。
同湯は入口は小型ビル銭湯風の造りですが裏に廻って見ると浴室棟は独立した銭湯の建物になっていて三角屋根に湯気抜きののった建物に油井型の低い煙突が付属しているのが見られます。た。
中は普通のビル銭湯風の造りで低めの天井、外壁側に造り付けのロッカーが並びます。
その脇にキロ/貫目表示の古い体重計が置かれています。
ここも基本的には奥壁側に浴槽のある関東型銭湯のレイアウトですが、全体的に小さめの地方銭湯型サイズです。


浴槽は球形と正方形の浴槽の仕切りを取ったような形でタイル貼り、壁側に石を積んだ間から注がれる湯口があり、43~44度の湯が注がれています。
湯は井戸水を沸かしているようで、一部の浴槽内側にミネラル分が付着してと思われる濃い茶色に染まった部分がありました。

亀の湯  岩手県一関市大手町5-5
営業時間 14時~22時 定休日 月曜日





こちらは徳島県鳴門市にある銭湯「養老湯」です。
こちらは鳴門市の古い街並みの奥、路地裏にあるレトロ銭湯です。
出張の途中で訪れましたが車での訪問であったために置く場所が見出せずに入浴を諦めてしまいました。
やはり地方銭湯に行く場合のリサーチ不足が原因ですね。
銭湯は狭い路地裏の立地が多く、発見にも手間取るし見つけてもこんなことも多々あります。
遠隔の地であったため、いまだに悔やまれてなりません。

養老湯 徳島県鳴門市撫養町林崎北殿130
営業時間 16時~20時 定休日 日曜日



地方の銭湯を経験するにあたり、色々な地域の人が集まっている都市部ではほとんど有りませんが、地方で銭湯に行くと「あんた誰」的な感じであからさまに警戒されたりという事も結構あります。
やはり銭湯は生活の場、まぁ仕方ない事なんですが、それでも勇気を出して入ってみる事をお勧めします。
その地域の特色や文化の一端が味わえるし、地域の人とのおしゃべりに発展したりする事もしばしば。
もしかしたら地元御用達のグルメスポット情報も得られるかもしれませんよ。
因みに私は入る時には地元の相客がいる場合、必ず「こんばんは」など挨拶の声を掛けるようにしています。
せっかく出掛けた先ですから、いつもと違う「お風呂屋さん」を是非味わってみて下さい。






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  • 1960年、東京生まれ埼玉育ち。現在は神奈川県藤沢市に在住。小さい頃は風呂屋のペンキ絵が描きかえられるのを心待ちにしていた子供でした。

  • 現在は路地裏散歩と居酒屋徘徊を趣味としており、産業遺産ならぬ生活遺産に興味を抱き銭湯や古建物などを見て巡っております。

  • 座右の銘は遠い温泉より近くの銭湯、かな。