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換気口鑑賞と切っては切れないものとしてコインパーキングがある。
あまりに切っては切れないものなので、一時期換気口そっちのけでコインパーキングの料金精算機を撮るのにはまってしまったくらいである。それくらい換気口にとって都市型駐車場は重要なものなのだ。

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なぜ、コインパーキングと換気口に関係があるのか。それは世間の日蔭者換気口の成り立ちと関係がある。
そもそも換気口を壁に配置する際、設計者は、まず間違いなく「なるべく目立たないところに配置しよう」と考える。例えば隣りに建物があったら、土地の後ろに線路があったら、川があったら、換気口が配置されるのは、いつも表舞台から見えない方の壁である。
中には例外的に元々表通りに換気口が配置されているものもあるのだが、それはやむなくそうしたに過ぎない。換気口はいつも陰に配置されるのが常なのだ。

しかし、街の風景は必ず変わる。一見、全く変わっていないように見える街でも、建物は日々建てられ、そして壊されていく。すると、建てた時は目立たない壁に配置したつもりだった換気口が、隣の建物が壊されることで白日のもとにさらされてしまうことがあるのだ。
もちろん、またすぐに新たな建物が建つ場合もあるのだが、昨今の不景気、そう簡単に土地の用途は見つからない。結果、またひとつまたひとつと都市型コインパーキングになっていく。
結果的に都会に於いては、コインパーキングあるところ換気口あり、という構図が出来上がるのだ。

最近、私は新しい街に換気口散策に行く前には、必ず、某社のコインパーキング地図を見るようにしている。これは、地図をドラッグしていくと表示されている範囲にあるコインパーキングをすべて表示してくれるすぐれものだ。
お目当ての駅周辺を検索した結果、黄色い看板のマークが凄い勢いで表示されたとき。私はにやりとして、期待を胸にその駅へ向かうのだ。

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  • 前川ヤス

  • がらり~換気口鑑賞団 

  • 1972年生まれ北海道出身。2007年春頃、電車の車窓から見える換気口配列の美に魅せられ、「日本に一人しかいない趣味(タモリさん認定)」換気口鑑賞を始める。一児の父。