あけましておめでとうございます。
今回は新年らしく縁起物の富士山を銭湯の背景画でご紹介いたします。
昔から初夢に見ると縁起が良いもの「一富士二鷹三茄子(いちふじ にたか さんなすび)」といわれております。
また、古来から信仰の山であった富士山ですが、昨年には世界文化遺産として登録され話題になりましたね。
関東圏では銭湯といえば富士山の絵を思い出す方も多いと思います。
そんな富士山の背景画の中から昨年取材したものをご覧ください。

玉の湯

こちらは東京都杉並区の玉の湯。
中央線の阿佐ヶ谷駅からほど近い街中に有る銭湯です。

丸山絵師による西伊豆からの富士山。
小島の浮かぶ湾から駿河湾越しに望む富士の姿が美しい。

玉の湯
東京都杉並区阿佐谷北1-13-7
営業時間 15:30~25:00
定休日 月曜


浩乃湯

次は埼玉県和光市の浩の湯。
練馬区との境に近く、アクセスは東武東上線の成増駅か有楽町線の地下鉄成増駅。
少し開けた土地に建っており、堂々のレトロ銭湯の全景が楽しめます。

岩風呂風の浴室奥壁に描かれた富士山は中島絵師の作。
手前の岩山と水流の向こうに望む富士の調和は素晴らしく風景を楽しみながらの入浴が出来る。
この絵は昨年行われた背景画描き換え公開イベントの時に撮影させていただいたもの。
岩を登り絵を描くのは登山と同じような苦労があるという事ですが、その中で描かれたこの作品は中島絵師の労作といえるでしょう。

浩乃湯
埼玉県和光市白子1-24-39
営業時間 15:00~21:30
定休日 月曜


鶴の湯

南北線の駒込駅と千代田線の千駄木駅の間にある静かな住宅街に建つレトロな東京銭湯。
こちらまさしく富士山背景画が特徴の銭湯です。
なんと男湯、女湯双方に異なる富士山の背景画があり、さらに脱衣場棟側の壁に男女浴室に跨る大きな富士山が描かれています。
まずは女湯の富士山。

先年亡くなられた早川絵師の富士山。
精進湖と記載されている。
湖越しの青い富士が美しい。

次は男湯の富士山。

こちらは南伊豆、早川と記載があり、堂ヶ島海岸の様な洞門がある岬が描かれています。
陽に赤く染まった「赤富士」が特徴的な一枚です。

そして一番トップに掲載しているのが鶴の湯男女浴室に跨る雲海に浮かぶ富士。
こちらは中島絵師の作です。
この絵は浴槽につかりゆったりと奥壁に背を当てて観賞すると雄大な富士山が楽しめます。
湯に入りながらの富士観賞はなかなかの極楽です。

さて、これは普通ではなかなか眺められない風景。
番台越しに左右浴室の富士山を見るとこんな感じです。


取材時は開店前でしたので女将さんに許可をいただいて番台に登らせていただきました。
こりゃ絶景です(笑)


※鶴の湯さんは2013年10月より一時休業されています。
鶴の湯
東京都文京区千駄木5-32-2
営業時間 16:00~24:00
定休日 土曜

他にも関東を中心に色々な富士山の背景画の描かれた銭湯があります。
ぜひ、風呂屋の富士山を見て良いお年を迎えて下さい。







  • まぁやぁ

  • 銭湯と路地裏散歩な日々

  • 銭湯wiki

  • 1960年、東京生まれ埼玉育ち。現在は神奈川県藤沢市に在住。小さい頃は風呂屋のペンキ絵が描きかえられるのを心待ちにしていた子供でした。

  • 現在は路地裏散歩と居酒屋徘徊を趣味としており、産業遺産ならぬ生活遺産に興味を抱き銭湯や古建物などを見て巡っております。

  • 座右の銘は遠い温泉より近くの銭湯、かな。