団地に無けりゃ丘に登ろう
前回は「給水塔を鑑賞するなら、団地へ行こう」というタイトルで、団地には往々にして給水塔が多い、という話をしました。

丘の上の給水塔


さて今回は、団地に並ぶ給水塔のメッカは、なんと丘の上である、というお話をしたいと思います。
「給水塔は丘の上によく建つ」というのは、給水塔ウオッチャーにとって割と一般的な知識であり、丘の上に建つその理由が「自然圧」に関係しているというもよく知られていることでしょう。

ここで、この記事を読んでいるほとんどの、つまり給水塔ウオッチャーでは無い方に向けて説明させていただきますと、家庭にお水を届けるためにそびえ立つ給水塔は、そもそもポンプと自然圧を利用して給水しています。より高低差があった方がお水を遠くまで運ぶことができるので、給水塔は“塔”であるワケです。高低差を求めようとすれば、「じゃあ丘の上に作ったら良いんじゃないの?」という結論に至ることも至極当然で、その結果「給水塔は丘の上によく建つ」のです。

ですので、夏場の給水塔鑑賞は大概汗だくですし、夏場の給水塔鑑賞が大概汗だくであることも、給水塔ウオッチャーにとって割と一般的な話であったりします。

みずのとう

そんな汗だくな状態で訪れたのが、こちら野方給水塔(配水塔)です。

野方給水塔(配水塔)は、昭和2年、急増する東京の人口をカバーするため着工し、昭和5年に3500tの水を湛えて完成しました。シンプルで機能的なデザインは、中島鋭治博士デザインの特徴ですね。(中島鋭治博士については「歴史的背景を踏まえて眺めてみれば」を参照してください)

どストレート過ぎるバス停で降りることでアクセスできます。野方給水塔(配水塔)は、西武線沼袋駅からバスに乗って「水道タンク前」という、どストレート過ぎるバス停で降りることでアクセスできます。

どストレート過ぎると言えば負けていないのが、給水塔の裏に広がる「水の塔公園」です。給水塔のダイナミックさを感じたい場合は、こちら「水の塔公園」では、このようにだいぶ近くから給水塔を眺める、というか見上げることができます。給水塔のダイナミックさを感じたい場合は、こちら裏側がオススメです。

正面から見た、みずのとう。正面から見た、みずのとう。公園に添えられた案内板によれば、空襲時の弾丸の跡が残されている、ということですが一見すると分かりませんね。

みずのとうの麓の幼稚園

野方給水塔(配水塔)の一番の特徴と言えば、”地域に根ざしたランドマークっぽさ”であるように感じます。バス停から始まり、公園の名前もみずのとう。
地元の方に愛されているなぁ、という感じが伝わりますが極めつけは、麓の幼稚園の名称でしょう。冒頭の写真にも見切れていますが、その名も「みずのとう幼稚園」。給水塔ウオッチャーたるもの是非とも母校として卒園しておきたい幼稚園No.1ですね。

幼稚園の敷地撮影のため、幼稚園の敷地に入らせていただいました。(園長先生、不審がらずにご対応いただき、ありがとうございます。)

これが当たり前の風景「みずのとう幼稚園」の園生にとっては、これが当たり前の風景なんでしょうね。小学校にあがった途端、小学校の敷地に給水塔が無くて泣いたりしないかな。心配です。

おまけ

さて、今回紹介しました、水の塔こと野方給水塔(配水塔)は、ロケタッチにもスポットとして登録済みです。こちらで確認してみてください「野方給水塔の情報だよ! | ロケタッチ」(ロケタッチへ遷移します)。michikusajpのロケタッチアカウントは、これからみちくさ学会で紹介したスポットなどをどんどん登録していきます。興味のある方はフォローをお願いします。

ロケタッチって何?という方は、こちらの記事「事務局便り 自分だけの”みちくさマップ”の作り方」をチェックしてみてください。”みちくさ”の遊び方が広がりますよ。

さらに、井戸カテゴリ講師が「ロケタッチを使い倒す!」と題し、演習編といった内容の記事を書かれていますので、こちらも参考にされると良いでしょう。






  • あべ りょう

  • http://blog.livedoor.jp/qsui10/

  • 給水塔ってなんだかおもしろいなぁ、と給水塔を見上げたり、写真を撮ったりしています。好きな給水塔は、「六供給水塔(愛知県)」と「駒沢給水塔(東京都)」。絶好の撮影ポジションを探して団地内をウロウロしていると変な顔で見られるので、問い詰められた時のために、スクラップした給水塔ファイルは必携。