
西武新宿線 西武柳沢駅の近くにあるガスタンクは、周りを住宅に囲まれたところに立っている。その場所に到着するまでには、いくつかの交差点があり、コンビニがあり、信号がある。地図を見ればそこまでは何となくわかるし、ペンで最短ルートをなぞることもできる。
ただ、ネット上の情報やGoogleマップでもその姿を確認できたのに、足を運んでみると更地になっていたり、長方体のマンションに変わっていたことが過去に何度かあった。そのせいからか、真下からタンクを見上げるのもいいけれど、駅を出て地図を片手に歩き、遠くから初めてその姿を目にした瞬間が、いつしか一番好きな風景になってしまった。

「あっちに猫がいるよ」
彼女は僕の右腕のシャツを引っ張る。彼女が指差す一軒家の玄関には「佐藤」と書かれた表札があり、郵便ポストには丸まった夕刊が斜めに刺さっている。猫はどこにもいる気配がない。振り返ると、元陸上部の短距離走者は少し先の十字路に向かって走っていった。
「タンク見えた?」
「まだ、家が邪魔して見えない…」
「バチが当たったんだ」
「わたし何も悪いことしてないよ」
「髪にゴミが付いてるよ、さっき走ったときに付いたんだ。右向いて」
「やだ、その隙に走る気でしょ?」
カメラを構えてファインダーから遥か遠くのタンクを見据え、シャッターを切るとき、タンクが小さすぎて風景に埋れていると思う。調べて、歩いて、探して、やっと見つけたときの気持ちはどこに消えてしまうのだろう。カメラを下ろすと、近くに停まっている車のタイヤから三毛猫がひょいと顔を出した。

「あっちに猫がいるよ」
彼女は僕の右腕のシャツを引っ張る。彼女が指差す一軒家の玄関には「佐藤」と書かれた表札があり、郵便ポストには丸まった夕刊が斜めに刺さっている。猫はどこにもいる気配がない。振り返ると、元陸上部の短距離走者は少し先の十字路に向かって走っていった。
「タンク見えた?」
「まだ、家が邪魔して見えない…」
「バチが当たったんだ」
「わたし何も悪いことしてないよ」
「髪にゴミが付いてるよ、さっき走ったときに付いたんだ。右向いて」
「やだ、その隙に走る気でしょ?」
カメラを構えてファインダーから遥か遠くのタンクを見据え、シャッターを切るとき、タンクが小さすぎて風景に埋れていると思う。調べて、歩いて、探して、やっと見つけたときの気持ちはどこに消えてしまうのだろう。カメラを下ろすと、近くに停まっている車のタイヤから三毛猫がひょいと顔を出した。


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